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第66話 返品

飛鳥井烈は、宗右衛門の着物を着て鷹司緑翠に合う為に鷹司のお屋敷を尋ねた 鷹司は「どうされたよ?宗右衛門!」と聞く 「兵藤貴史を預かって教育しておったが、この度婚姻する運びとなった故、鷹司へ戻すと決めた! それを此処にお知らせしたく参った!」 鷹司は宗右衛門の顔をまぢまぢと見て 「へぇ〜飛鳥井宗右衛門も随分と柔くなったモノじゃな!」と嫌味を吐いた 烈はムッとして宗右衛門の声で 「何処がじゃ?何処らへんが柔いのじゃ!」と問い質した 「だって兵藤貴史、戦えねぇだろ?」 「戦えるじゃろ?」 「あの体付きじゃ翔にすら勝てねぇだろ?」 「………防御?」 「温い事を申すな宗右衛門! 防御で暴漢から身を守るのか? まぁ飛び道具出されたらアウトだけど、それ以外で折れねぇ刀剣じゃねぇと儂は受け取らねぇよ! こんな半端なまま引き渡すとは………あれで稀代の政治家になれると想うのか?」 「…………腹立つ!獅童の癖に! まぁ確かにね、まだまだ鍛え上げねばならぬ未熟さはあるが………… うんざりしてるからボクの手から離したかった思いはあるのよ……… もぉねシャルロットの顔も見たくなくてね 見たら殴り飛ばしそうで………本当に嫌になってたのよ……… もぉ良くない?この程度で?」 「この程度だと正義の横には立てぬな!」 「…………泣くだけの甘ちゃん大嫌いなのよ! まぁ出会うチャンスはボクが作ったけどね……… ウダウダ メソメソ、叩き斬ってやろうかと思ったもの!」 「宗右衛門……主はフェミニストなのではないのか?」 「まぁボクは基本、婦女子に優しいけど、虫唾が走る相手と言うのは必ずやいるのよ………… ボクね女を全開にして相手に100%伸し掛かる奴は大嫌いなのよ! あ〜もぉ良くない?返しても良くない?」 「嫌々宗右衛門、あんなの鷹司緑翠の紹介状を持たせてを国会に行かせたら、緑翠の名折れであるぞ!無理じゃ!絶対に無理じゃから!」 「なら兵藤きゅんは永遠に独身でえくない?」 「宗右衛門!」 「本当に腹立つし嫌いなのよ!」 「主がそこまで嫌うなど、珍しいな?」 「一人で立てない奴は男でも女でも嫌いなのよ 泣いても、叫んでも、立ち止まっても良い 其れでも立ち上がり歩く奴しか応援しない! したくないのよ!」 「…………取り敢えず返品な!」 「なら………バッキンガム宮殿の地下に落としてやるわよ! どうせ………其処でもべしょべしょ泣くしか出来ないだろうけど、己の生い立ちも知れば良いのよ 今回のボクはフェミニストを百万年光年果てへ忘れたみたいなのよ!」 「まぁそれは好きにするが良い!」 「あ〜ボクの周りに……男前しかいながら……駄目なのかしら? ボクには優しさが足らないのよ! 優しい女が足らないのよ!」 スクッと立ち上がると烈は無言で部屋を出て行こうとした 鷹司は「お〜い、烈、どうしたのよ?」と聞いた 「優しいおなご探して参る! 男前な女とい過ぎて、ベヨベヨ泣く女がうざく感じるのよ!そうよ!ボクの周りにいない優しいおなご!それが足らなかったのよ!」 そう言いあっという間に鷹司の家を出て行ってしまった その後 烈は行方不明になった 阿賀屋の家の者が探しても見つからず……… 毘沙門天に魔界まで見に行かせた程だった 何処探してもいない烈はイギリスに来ていて 兵藤とシャルロットをバッキンガム宮殿の地下に放り込み様子を見た まぁ結果はお察しの決末となり、烈はイギリス首相と話し合い来年 6月に正式婚姻に【同意】して話は終わった その日から始まる兵藤貴史の鍛錬の日々 シャルロットも菩提寺の女子寮に放り込み、金銭感覚、料理、一般常識、そして己の身は自分で守れる様になる様に………と鍛錬の日々となった 鷹司緑翠の政治塾に通う兵藤貴史は一段と洗練され鍛え上げられた感がする様になって来た 烈は「兵藤貴史は来年7月、婚姻の後に塾へ戻す事とする!」と正式な書状が届いた 【   鷹司緑翠殿 貴殿に預かりし兵藤貴史は、日々鍛錬をし己を鍛え上げて日々を送っておる! 鍛錬に加え、会社も任せた故、如何に経営をするには利益を上げねばのらないのか?と謂う実践の経験を積ませておる 政治家としての【目】を肥やし、機敏な判断を培う! 今度は甘いと突き返されぬ様に、念入りに仕込む所存!楽しみにお待ち下され!         飛鳥井 宗右衛門   】 と書状が届けられ、鷹司は毎日が楽しくて仕方がなかった 書生は今 週末には家に戻る書生と、週末には家に戻る書生とて教えている最中だった 食らい付いて覚え、己を鍛える鍛錬もしている 必死に課題を片付け、間違えを正し二度と間違えない様に覚えようとしている 弥勒院翔馬は通信で課題を片付け、三木敦之、安曇貴教、飛鳥井拓人 拓美は週末家に帰る どの書生も流石 宗右衛門が放り込んだ者だけあり鍛えれば鍛え上げる程に斬れ味を増す刀剣の様に、その力を蓄えつつあったさ? … 鷹司緑翠は毎日が楽しくて仕方がなかった 永遠に今世は会えぬかも知れぬとも…謂われた その時は絶望でしかなかった……… が、その宗右衛門が転生したのだ 今世もとことん楽しまねばならぬ 鷹司緑翠は、ふふふふふと北叟笑んだ 書生はその様子に背筋を凍らせた 返品された兵藤貴史は、血反吐を吐く日々を開始された 叩いて 叩いて鍛え上げる 稀代の政治家にする為に! しかし、返品した時の宗右衛門の顔は笑えるな それを肴に飲めるってもんだ! 今宵も鷹司緑翠はガード下へ行き、飲兵衛仲間と酒を飲む 早く育てよ宗右衛門! 主と飲める日は楽しいであろうな!!

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