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第68話 冬至
烈は昨今の物価高に供えて行事モノは早目に購入して鷹司の山の室に入れさせて貰おうと思っていた
だが、この夏の異常な暑さ、地球温暖化の影響は永久凍土と言われた室の氷さえ溶かしてしまったのだが………
溶けた事など数百年ないこの現状に鷹司家当主は
「地球が泣いておる!
草や木が泣いておる!」
等と訳の解らぬ事を口にしだし………
烈は「呪霊…………」と呟きドン引きさせた
まぁ室はなくとも野菜や果物を一定期間低温で管理する冷蔵庫を所持している桜町商店街の八百屋のおじいちゃんが
「烈ちゃん冷蔵倉庫で冷やしてあげるよ!」と言ってくれてるのだ
桜町商店街は新年 1月3日、新春福引セールを行う
【R&R】や飛鳥井烈の色は払拭し、実行委員にも名は載せてはいない程に徹底させた
やはり何時ものお客様へのイベントなのに、押し掛けられるのは店にも、近隣住民にも迷惑なのだ
そして桜町商店街で新春福引セールを告知するのは桜町唯一の神社の神主 二階堂洋二
白馬櫻堂神社の悠一 三鶴の従兄弟だ
声はハスキーでやはり二階堂の家はイケメンが多いのか?かなりの顔面偏差値も良い!
今回の新春福引セールは楽巌寺の協賛も得て、人手を確保する事が出来た
実行委員は慎一なのは変わらず、それに一生も加わり、菩提寺から世椰達を連れて来て貰うのだ
今から世椰達は気合いを入れて、手伝ってくれる気満々だった
あれから唐沢は西村と結婚式を挙げた
イギリスから一時帰国して帰って来た娘達に祝福されて西村は挙式を挙げた
「え〜今更だろ?」と謂う西村に
「ボクは唐ちゃんの後見人です!
ボクの唐ちゃんは初婚なのに挙式も挙げない気なの?…………恨むわよ………あまちゃんにボクの悲しみを伝えて、あまちゃん共々恨まさせようかしら?」と睨見つけた
「それはお辞め下さい!
喜んで結婚式を挙げさせて戴きます!」
「あら?そう?父にあまちゃんを呼びに行かせなくても大丈夫なのね!それは良かったわ!」
と白無垢を着させて和装で見映えの良い二人を使い
和装で挙げる結婚式
とタイトル打って楽巌寺でも結婚式行ってますよ!とパンフレットに載せてアピールをしたのは言うまでもない
今の世の中価格安めに結婚式挙げられるなら、挙げたい!
そう想う人達の応援挙式とアピールしたのだ
無論 写真だけでもOK!
其れだと衣装代と写真代だけで三万円で結婚式の写メを撮れる
式を挙げるなら参列者の人数にもよるが、挙式のみ(衣装代、僧侶の費用等)のみでサービスで行える挙式と格安設定を打ち出した所
結婚に反響を呼び人気に火がつき、タウン誌の取材も結構受ける事になった
冬至の日 烈はケントに袋を持たせて、八百屋のおじちゃんに保管を頼んだ柚を取りに行った
柚 30個を袋の中へ入れてくれ、オマケで林檎と冬至南瓜を烈にくれた
「今も八百屋が続けられるのは烈ちゃんのお陰だよ!」
と、おばちゃんとおじちゃんは口を揃えて言う
桜町商店街は新鮮で安いと口コミが広がり、結構買い物客が来てくれる様になった
固定客が増えつつあるのだ
八百屋も毎日の特価品を並べるとすぐに売れ切れる
本当に有り難い経営状態になっていた
桜木町商店街と名前を変える前は、スーパーに負けて何時店じまいをせねばならないか解らない状態だった
が、商店街には商店街の強みがあるのよ!と商店街の名前を変えて戦略を立てて売り出せば、地道に客は増えて来て、在庫を抱えて腐らせる事はなくなった
商店街を歩けば店の店主が、烈に声を掛ける
烈が来ると商店街は賑わう
コロッケを食べてたら、通りすがりの子は、コロッケが欲しいと言い、コロッケの美味しさに親も子も帰りはコロッケを食べて帰る人が増えた
林檎を貰えば美味しそうな林檎を持って、嬉しそうに歩くから、皆が林檎を買ったりして、密かに売り上げに貢献していたりするのだ
「今夜は冬至、柚子風呂に冬至南瓜♪」
とスキップしてあるけば、柚子は飛ぶように売れ、南瓜も切り売りで完売した
烈は家に帰るとダイニングテーブルの上に柚子と林檎と冬至南瓜を置いた
慎一はそれを見て「どうしたんですか?」と問い掛けた
「柚子は冷蔵倉庫に入れて眠らせて貰っていたのよ!林檎と冬至南瓜はオマケよ!」
一陽は「オマケ………赤字になりそうなサービスですね!」と唖然となった
慎一は「烈が持って帰るだけで完売確実なので赤字にはならないんですよ!」と説明
烈は本当に美味しそうに食べるから、アレが食べたい!となるだそうだ
「商店街のマスコットアイドルですから烈は!」と笑って言う
夕方、清隆や瑛太、康太と榊原が帰宅して来ると烈は
「あのね、柚子も高いし家族の分の個数揃えるのも大変なのよ!
なので柚子風呂は【お風呂場】に柚子を浮かべるので、お風呂場で入ってね!
ばぁしゃんとママは一番湯使いなよ!
その後に男性陣がゴロゴロ入るから!」
と謂うとレイが「むびょうちょくちゃい!」と叫んだ
清隆は「そうであるな!無病息災を願い柚子風呂に入らねばな!」と謂う
翔達は柚子を手にすると
「ならお風呂場に浮かべて来るよ!
ばぁちゃまとママが一番風呂よ!
ついでに柚も柚子風呂に入れて貰いなよ!」と謂う
翔達はお風呂場へと向かった
そして袋一杯の柚子を抱えるとお風呂場へと向かい、綺麗に水洗いしてから湯船に浮かべた
流生が「柚子風呂見ると年末だなって感じるよね!」と謂う
「だね、烈忙しそうだから来れないと思ってたんだよね!」
翔が呟くと音弥が「ほらサクサクするの!」と発破をかけた
慎一が南瓜を煮て、そぼろであんかけを作った
皆の小鉢に南瓜を入れて、あんかけを乗せる
凛と椋も最近は、布巾でテーブル拭くだけじゃなく、配膳のお手伝いも出来る様になっていた
兄達と共に配膳してお料理を並べる
そして皆で夕飯を食べた
楽しく会話も弾み夕飯を食べる
夕飯を食べ終わると玲香と京香と柚がお風呂に入りに行った
ワクワクと着替えを取りに行き、お風呂に入る
メンバー達も「今年も柚子風呂!」と喜んでいた
皆で柚子風呂に入り、ホカホカの皆はリビングに行き晩酌を始めた
榊原には柚子を渡してあった
「お部屋で夫婦水入らずで入ってね!
ついでに母ぁーさんの中にも入っても良いしね!身も心も温まるわよ!」
なんて言われて風呂場でお尻の穴をふやかされ広げられ指で搔き回され………堪らなく挿れてぇ!と懇願して、挿れられ串刺しにされ喘がされ………逆上せたのは言うまでもない
「君の中も柚子風呂に浸かり、無病息災出来ましたね!」
なんて良い笑顔で言われるから………
「怒れねぇじゃねぇかよ〜!!!」と叫んだ
幾ら叫んだとしても、防音なのだ!
子供部屋には声は漏れない!
ふふふ………熱い夜を送れるわね!
烈は渋茶を飲んで笑っていた
聡一郎がそれを見て
「あ〜烈がまた悪どい顔してる!」とボヤく
デービッドが「そんなの何時もの事やねん!」と一蹴
クー達は半纏を着て、瑛太や清隆達と飲んでいた
聡一郎は「烈の猫は温そうやんか!」とボヤく
スーが「ほらほら、そーちゃんも飲みなはれ!」とお猪口を渡され口にする
一生は「あ〜今年も家族で冬至出来て良かったな!」と謂う
兄達は頷いていた
無病息災!皆様も柚子風呂をお楽しみ下さい!
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