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第2話 運命の相手
「男かよ。俺オッパイ大好きなのにクソッ。しかもめっちゃ地味。ホントにΩ?
こいつが俺の番とか、ありえない」
「あ……え?う……」
いきなりのことに呆然としていると、男はじろじろと僕を観察し、一方的に喋りまくった。
「出会っちまったもんは仕方がない。
お前、ヒートまだだろ。来たら呼べ。相手してやるよ。
運命の相手は最高にイイらしいからな。楽しみにしてるぜ」
男は互いの携帯にメルアドを登録し、
「それまでは近づくなよ。視界に入ったら、どうしてもガン見しちまう。万がいちにも他のΩに勃たなくなったらやべーからな」
それだけ話すと、用はないとばかりに元にいた集団に戻っていった。
そこにはαが集っていて、これまたΩと分かるグラマラスだったりアイドル似だったりの可愛い子達が取り巻いて、とても煌びやかだった。
いきなりの展開に、僕の頭の中は真っ白になった。しかし、その集団の中に藤代 先輩を見つけてハッとなった。
――見られた!
こんなところを見られるなんて!まさか、話は聞こえてないよね。
ヒートの予約の話なんて、聞かれてたら恥ずかしくて死んじゃう!
藤代先輩は、ゼミの合同飲み会で顔を合わせたことのある先輩だが、あまり接点はない。その周りをサッと見たが、他に僕の知り合いらしい人はいなかった。
驚いた表情でこっちを見てた藤代先輩にいたたまれなくなって、僕は学食から逃げ出した。
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