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第4話 初めての発情期※
それからヒートが終わるまでの一週間は、記憶があまり定かではない。
始まった日の午後に高村さんが来たので部屋に上げたが、その時には体に熱が篭りすぎて朦朧としていて、自慰で出しても出しても全く熱が引いていなかった。
「フェロモンが凄えな。ねっとり絡まってくる。酔っ払っちまう」
「ハァハァ、ど、うしたら…た…すけ…」
「バカだな、Ωはαに中に出されないと熱は引かないんだぜ。だからヒート中に飲むなら抑制剤じゃなく避妊薬」
そう言って更に薬を飲まされ、あっという間に裸に剥かれた。
「待ってたぜぇ。運命の番とやらは体の相性が他の奴らと段違いらしいからな。一回ヤッてみたかったんだ。そういう意味じゃ、会えてラッキーだったな。お前はガリガリだし男だが、ヤッてやるよ」
そう言って獰猛な顔でペロリ、と舌舐めずりをした。
「こんだけ濡れてりゃほぐす必要ねえな」
もう僕は、何を言われているかよく分からなくなっていた。だから太ももを大きく割られて、尻に高村さんのを付けられていても理解していなかった。
「!!! あっ!ああっ!ああぁ!あー!!!」
何が起きたか分からなかった。
肛門を目一杯広げられて、異物が腸をぐんぐん登ってくる初めての感覚に驚き、恐怖した。そして更に奥へと押し込める動きに、痛みと圧迫感で背中が反り返る。
「やべ、切れた。濡れてても狭かったか。悪い悪い。はぁ、あー最高。やっぱメッチャ気持ちいいわ、さすが運命の相手。はははっ」
「アッ、アッ、アッ、ン、ウゥ、ウゥッ。アアッ、アァッ、アアァ、アアァン」
「お前もヨくなってきただろ。もっとよがれよ。竿は触りたくねえから自分でシコりな」
「ン、ンフッ、ハァア、アハァ、ァァァアン」
痛みと圧迫感だけだった感覚は、突き上げられるうちに甘い痺れに変わっていき、腰から下が蕩けたように感じられた。高村さんのフェロモンも噎せかえるほどに立ちのぼり、部屋は互いの匂いと荒い息遣いで充満している。
匂いに酔っているのか感覚に酔っているのかわからない。ドロドロした快楽の中に浸かり、思考と理性が飛んでいった。
「アァ、アァン、ンッ、ンンッ。ウゥ…アアッ、ハァアンッ!…んで、首、噛んで!アアッンッ、お願い!アァン。噛んで…噛んでぇ…ァン、首、噛んでぇ…」
体の奥の奥を蹂躙されながら、涙とよだれでグチョグチョの顔を晒して高村さんの頭を首筋に抱え込み、哀願した。
「バカ、やめろ!うっかり噛んじまうじゃねえか!首、近づけ、んな」
「ハッ、ハッ、お願、い、噛んでぇ、」
「おい、近づけんなって、言ってんだろ、手、離せ」
僕の理性が溶けて、本能に突き動かされている様子をみて、高村さんは諦めて僕の首にバスタオルを巻きつけた。
「やだぁ。噛んでぇ。これ取ってぇ」
「うるさいな。駄目だって言ってんじゃん」
「やだぁぁ。お願い。やだぁ。噛んで」
いやいやと首を振り、バスタオルを外そうとすると、彼は電源タップから伸びていた延長コードを外して、僕の両手を頭の上で縛りあげた。
「やあぁん、外してぇ、やだ、やだぁ。首、噛んでぇ。イきたい。イきたいよう。ハァァ、した、握って、こすってぇ。お願い、アァン、これ外してぇ、」
「ああうるせー」
「高む、グ、ング、グ、ムグ」
口にタオルを突っ込まれて言葉も封じられた。手も動かせない僕に出来たのは、首を振り、体をのたうたせることだけだった。
イきたいのに自分で握れず、でも高村さんは触ってくれなかったから、下半身は熱く、重くなり、爆発寸前まで腫れあがって痛くてたまらない。
その間も彼は容赦なく奥を穿ち続け、獣じみた声をあげていた。
「オゥ、オフッ、っは、すっげー。気っ持ちイー。ハハハッ。中ドロドロ。サイコー」
「ンンーッ、ングッ、ムグッ、ンンーッ、ングッ」
イきたくてイきたくて堪らないのにイけず、熱が体の中を駆け回っている。
涙で霞む視界と鼻づまりの酸欠、匂い酔いも薬酔いもあって頭の中も霧がかかってグラグラ揺れている。胃から何かがこみ上がってきた。
グッ、ゴボッ、ゲブッ
「うわっ、汚ったな、お前〜。吐くなよー」
彼は中に収めていた自分のモノを一旦抜き、胃液を吸って汚れたタオルを外して乱暴に僕の口周りを拭き、床に放った。
「お前、吐きながらイったのか。どんだけだよ。…あれ?この状況ってSMじゃね?お前Mの資質あるぜ。ははは」
僕は猿ぐつわを外されても、もう、喋る力はなかった。
いつイったのかわからなかったが、腹の上は粗相したかのように大量にベチョベチョで、なのに未だ、だらだらと精液が溢れ出ていた。
「じゃ、俺もそろそろイかせてもらうぜ」
そう言って彼はぼくの膝を大きく開き、裏に手をあて高く持ち上げて秘所を露わにし、ズブズブと打ち込んでいく。
「ぁぁっ…まっ…まって…ァァッ…やだ…アッ…まっ…やだっ…アァッ…」
イったせいか中が狭くなり、異物感が凄いのに、高村さんはお構いなしに腰を奥まで進め、大きく前後に振りだした。
僕はぐったりとなって弱々しく首を振ったが、苦しいのに僕の中は勝手に蠢き、αの精子を貪ろうと絡みついていた。
「はあ、狭〜。きっつ。ハ、持ってかれるわ、コレは。ハッ、ハッ、イク、イく…っ!!」
「ああああ…アアッ…アアァン…アァ…」
大量に中に出され、Ωの体が歓喜で打ち震えた。前を触られてもいないのに、またイってしまったのだろう、腰がビクッ、ビクッと痙攣した。
許容量を超えた快楽に心は恐怖しているのに、体は喜び、更なる精子を取り込もうと彼の腰に足を回していた。
地獄のような快楽 はこうして始まり、1週間後、やっと終わったのだった。
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