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第8話
その後、紡がいま世話になっている家に着くと、霧原は親類夫婦に挨拶し、紡の父と友人だった自分がこの子を預かって生活の世話をする事にした、と説明した。元々あまり紡を歓迎していなかった彼らはすぐに了承した。
霧原の行動はその後も素早かった。紡を連れて守がいる家に案内させ、そこでも守を預かる話を通した。そしてすぐ引っ越しの予定を決め、守にその日までに荷物をまとめておくように伝えた。
「兄ちゃん……」
守がびっくりした風に紡に訊ねる。
「ほんとに俺たち、あのおじさんちに行くの?」
「うん……すごく優しい人だよ。大丈夫だから、心配すんな」
「心配なんてしないよ!ここ引っ越せるのすげえ嬉しいもん。学校も変われるし」
守は明るい笑顔で言った。
「兄ちゃんほんとになんとかしてくれたんだね……ありがとう」
紡も笑った。
「お礼は霧原さんに言えよ。すぐ……一緒に住めるからな」
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