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第19話

そんな事があってから、紡は霧原に成績を確認される以外に――身体も検分されるようになった。霧原は厳しく紡の身体状況を管理しようとしている。 霧原は度々オーディオルームに紡を連れて行き、服を脱がせてあちこち調べ、更に自分の見ている前で自慰行為をするよう命じた。こういうことは僕に黙って勝手にしてはならない、隠れてしようと思っても僕にはわかるからね、と紡は霧原から言い渡された――もちろん、そんな気はとても起きない。恐ろしすぎて――絶対に無理だ。 そして自慰行為を強要される時――霧原は、紡にとっては恐ろしく見える写真や絵画を取り出してきて見せた。 それらは、美しい肢体を持つ少年が、縛められ、男性器や性玩具でアヌスを犯され、苦痛に顔を歪めているものだった。霧原は紡に、そういったもので性的興奮を覚えるよう仕向けようとしているらしかった。 本当は、そんなものを見せられるのも自慰行為を霧原に見せなければならないのも、辛くて嫌でたまらなかったのだが、ムチを当てられた時に覚えた恐怖心と、弟とともに霧原に見捨てられてしまうかもしれないという不安から、とても逆らうことなどできず紡は霧原に従っていた。周囲のことは何も考えないようにして無心に性器を擦り上げて刺激を与えれば、とりあえず射精することはできる。課題をこなすのと同じだ――そうやって霧原の見守る前で、紡が定期的に性処理するところを見せていれば、もう問題は起こさないと霧原は考えてるのだろう、紡はそう解釈していた。 しかし霧原の要求はそれだけではなかったのだった。 そろそろオーディオルームに呼ばれる頃だろうか……紡が考えていた時、予想通り霧原が、レコードを聴こう、と提案した。紡は頷き霧原の後に続いた。 部屋に入ると霧原が 「もう良い頃合いかと思ってね」 と言った。 なにが?と紡が思っていると、霧原は紡の前にケースを置き、それを開けた。中には――紡が霧原に見せられた絵や写真で――少年が使われていたような男根型の性玩具が並べて入れられていた。

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