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第20話

霧原の意図を理解し、恐怖にかられて逃げ出したくなったが紡に拒否権はない。命じられた通り服を脱ぐとさらに、床に仰向けに寝て脚を開き、両膝を抱えていなさいと言いつけられた。無防備に最奥を曝け出したその姿勢で、紡はあの恐ろしい道具が自分に対して使われるのを待たねばならなかった。 「紡もそろそろ試してみたくなる頃ではと思ってね――小さめのものを揃えておいた」 霧原が言う。小さめだって?紡は怖気をふるいながら思った。紡にはその道具のどれもが恐ろしい凶器に見えたのに。 「最初はこのくらいの大きさがいいかな――潤滑剤を塗っておくからね」 怖くて目を閉じた紡は、自分の尻奥の窄まりに――ぬるついて冷たいモノの先が触れるのを感じた。霧原はそれで紡の菊門をしばらくなぶっていたが、やがてぐりぐりとこじるように動かしながら、丸みのある先端をそこへ挿しこんで押し開き――次いでぐっと突き入れてきた。 「う、く……っ!」 紡は仰け反って喉の奥で声を発した。本当は大声を上げて泣き叫びたかったが、霧原がそれを嫌うであろう事がわかっていた。 生々しい弾力のあるそれを、かなり深くまで呑み込まされて紡は喘いだ。閉じた目に涙がにじむ。苦しい――苦しいよ、助けて、誰か――挿入(はい)ったね……次は、動かしてあげよう――」 霧原は言って、道具を紡のそこで抜き挿しし始めた――濡れた道具が押しこまれ、引き出されるごとに、それを受け入れさせられている部分の肉が捏ね動かされてクチュッ、クチュッ、という卑猥な音が響く――痛い。 堪えきれず、紡はか細い泣き声を上げて霧原に訴えた。 「い、痛いです……許してください、も、もうやめて、抜いて、止めて――」 「初めてではね」 霧原は楽しげに呟いた。道具から手を離す。 「姿勢を変えてみよう。四つん這いのほうが楽かもしれない」 紡はそこに道具を深く咥えこまされたままで、姿勢を変えさせられた。 四つん這いになった紡の尻に、霧原は引き続き執拗にそれの出し入れを続ける――紡は感じたことのない種類の圧迫感と痛みに苛まれ、それから逃れようと顔を床に敷かれた絨毯に押し付け、腰を高く上げた。 「そんなにお尻をもち上げて――紡はこうされるのがよほど気持ちが良いようだね……」 霧原が道具の動きを早める――辛さのあまり紡は激しく喘ぎだしてしまい、何も考えられなくなった。 「前は――硬くなってきたかな?」 霧原が、腿の間に無防備にぶら下がった紡の性器を、絞るように握り込む――するとその途端、勝手に背がビクンッと跳ねて身体が仰け反り、紡は高い声をたてた。 「ア!?あ、アアッ!嫌、霧原さ――いや!それ、嫌です!辛い――」 奥まで道具を押し込まれる痛みが、握られている性器に伝わって――そこが熱っぽく膨らんできたのに、霧原は指を緩めてくれない――紡は叫んだ。 「いやっ!あ、熱い!助けて!そこ、そんな、キツく握っちゃいやだ!霧原さん、助けてくださ……」 何がなんだかわからない。紡は取り乱し、四つん這いにさせられた姿勢のまま、激しく頭を振り、懇願した。 「助けて!助けてくださ――だめぇ!こんな――もう、もう耐えられな――」 「いきたいのかな?」 霧原が尋ねる。自分の体を襲う初めての感覚に、紡は泣き悶えながら答えた。 「はい、い、いかせて!――いかせてください!はやく――お願いします――」 紡の性器を握った霧原の手が激しく上下しはじめた。同時に穴にも奥まで、道具でズンズンと響くような刺激が与えられ―― 「あっ、あっあっ、あひっ!あっ!いやっ、死んじゃう、こんな、こんな、の、死んじゃうよぉ!」 前後を同時にきつく責め立てられた紡は、叫び声を上げながら達した。 ぐったりと絨毯に突っ伏したまま放心している紡の背に、霧原は口付けた。 「素晴らしいじゃないか――アヌスを使ったのは初めてなのに――こんなに感じてしまうとは」 紡はぼんやりとした頭で考えた。感じて、って?感じてたんだろうか?……あれが? あんな――痛くて怖くて――辛いだけだった。だけど――俺、イったんだ?じゃあやっぱり――感じてたってこと?なんだろうか? 紡は自分で、自分の体の反応が理解できなかった。 「もう少し玩具で慣らそうと思っていたが、これならもう――私自身を使っても大丈夫なようだね」 霧原が囁く。しかしその時、紡は霧原のその言葉の意味を理解できずにいた。 そしてその後から――紡のこなさなければならない課題に、霧原との性行為が加えられたのだった――

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