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第22話
翌日の土曜日、守は友人を三人連れて帰ってきた。玄関へ出て応対した紡に彼らは口々挨拶した。皆はきはきと明るい、元気な子たちだった。
少年たちは居間で家政婦さんが用意してくれたおやつを食べて暫く談笑していたが、やがて、ゲームをすると言って弟の部屋へ入っていった。紡も隣の自室へ引っ込み、予習のため教科書を開いた。
隣室から、楽しそうに笑いさざめく声が聞こえてくる――弟に良い友達ができたことを紡は心から嬉しく思った。
と、ドアがノックされ、霧原が姿を表した。
「なかなか賑やかだねえ、隣は」
守の部屋の側の壁を眺めて言う。
「はい。四人だから……あ、でも、煩かったら注意してきます!」
気付いて慌てて言った紡に霧原は微笑んだ――整った顔立ちの彼の微笑は美しい。だが、その裏には――
「ここへおいで」
霧原は紡に声をかけ、弟の部屋側の壁の前へ立たせた。
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