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第23話
「壁に両手をついて、お尻をこちらへ突き出しなさい」
紡の背後へ立ち、霧原が命じる。そんな、まさか……今?ここで?紡は青褪めた。
背後から、霧原は紡が履いていた部屋着のスウェットと下着を膝まで引き下ろし、剥き出しになった尻を両手でゆっくりと撫で回し、揉みはじめた。紡は背筋が寒くなり、声が出なかった。
「ここで今から君を可愛がってあげるけど――言うまでもなく、いつものように感じてしまって大きな声を上げたら――守君がまずいことになるよ?」
霧原は身を低くし、紡の尻に接吻する。同時に脚の間に片手を差し入れ開かせて、指先で紡の性器を裏側からつついて揺らした。思わず身が硬くなる。
「お兄さんがすぐ隣の部屋でこんないやらしい事をしていると知ったら――守君、どう感じるかな?この壁は一応防音が効いてるけど、さすがにここで君が激しくよがったりしたら……聞こえてしまうだろう。そうしたら……友達も一緒だし――気の毒なことになってしまうだろうね……?」
霧原に尻を撫で回され、性器をさすり上げられながら紡は唇を引き結んだ。守のために……絶対、声を出してはならない。出すものか。
霧原は楽しそうに――両手で紡の敏感な所を巧みに刺激する――乳首を摘んで捏ねられ、陰部を柔らかく揉まれ――その度紡は身体をピクッ、ピクッと震わせながら、壁にあてて上半身を支えている腕に額を付け、必死に歯を食いしばった。息づかいが激しくなったら聞こえてしまうかもしれない――耐えなきゃ。耐えなきゃ。
霧原が小さな機械を取り出してきて紡に示す。
「ローターだよ。すべすべしてカラフルで……可愛いだろう?これをどうすると思う?君の中へ入れるんだ……」
解説しながら、それを紡の奥の穴へと押し込みはじめた――紡は目を瞑ってその感覚に耐えた。
「そう……そうやってちゃんとお尻の穴をキュッと締めていなさい……出てきてしまわないように。うん、上手だ……」
紡はそれを一つではなく、複数個そこに呑み込まされた――と、いきなり、中でそれが――一斉に振動し始めた。
「……!」
弾かれたように背を仰け反らせてなんとか声を出さずにその刺激を凌いだが、やがて、絶え間なく体内 を襲うその感覚に耐えかねた腰が勝手にがくがく痙攣しだし、歯の根が合わなくなってきた。紡はそれを押さえようと着ているパーカーの袖をぎゅっと噛んだ。
「この製品は小さすぎて大した事はないかと思ったが、こうしてまとめて使えば結構なものだろう?」
霧原が耳元で囁く。お願い、やめて、抜いて――そう叫びたいのを何とか飲み込んだ。脚と腰をよじらせて必死に耐える。
「そんなにくねくねとお尻を振って――なかなか魅力的な動きだ。可愛いよ。よほど気持ちがいいんだね……」
機械が入れられた箇所への刺激を強めようというのか、霧原は両手で紡の左右の尻の肉を掴み、ぎゅっと閉じたり開いたりして強く揉みしだきはじめた。
「こうしてあげるともっと感じるだろう?ああ、前からも――いやらしい雫がこぼれてきた……ほら、糸を引いて……」
紡を嬲る彼の卑猥な囁きが――頭の中をとろけさせる。声を上げられないかわり、紡は猫が伸びをするように身を戦慄 かせながら背を反らせた――目眩がする――
いきなり膝の力が抜けて紡は床に崩折れた。息を詰めて堪えていたため、酸欠気味になったらしい。
「おやおや――限界かな?」
霧原が言って紡を抱き起こして立たせ、ローターを入れたままで下着とスウェットを引き上げ、元通り履かせた。
「……歩けるかな?オーディオルームへ行こう」
囁く霧原を焦点の合わない目で見返し、紡はコクンと頷いた。
震える足を踏みしめて部屋から出、賑やかな少年たちの声を背中で聞きながら、紡たちは階下へ下りた。
オーディオルームへ入って霧原が鍵をかける――紡は部屋の中央までよろめきながら進むと、そこでスウェットと下着を引き下ろして蹴るようにしながら脱ぎ捨て、パーカーもむしり取った。先刻からなぜかよくわからない酷い疼きに襲われていて、身体が熱く、息が荒くなっている。
「霧原さ……抱いてください、はっ、はやく……お願いします」
霧原が近づいてくる――紡は彼の前にひざまずくと、夢中で彼のスラックスを下ろして霧原の性器を取り出し、むしゃぶりつくように口に含んだ。
なんでこんなに切羽詰まってるのかわからない。だけど――欲しくてたまらない。
「そんな状態で――よく声を出さずに耐えたものだ」
霧原が感嘆したように言った。
「ローターを入れる時使った潤滑剤だがね、ちょっと細工がしてあるものを試してみた。濃度は高くないが効き目は十分あったようだね」
なんのことだろう。紡は霧原のモノを必死にしゃぶりながら考えた。ああでも、頭の中がまとまらない、わからない――
霧原に頭髪を掴まれて仰向けにされたので、紡は彼の性器を口から離した。そこへ霧原が覆い被さってきて接吻した。紡の身体をそのまま絨毯の上へ押し倒し、開いた脚の奥からローターのコードを掴んで一気に引き抜く――続けざまに器具が出ていく感覚に嬲られ、紡は仰け反って高い叫び声を上げた。
「んアッ!あ!あっ!いやァ!すご、い……っ!」
「お前は本当に弟思いだね――なんて健気で――哀れなんだ。素晴らしいよ……」
引き抜かれたローターの後を埋めるように、霧原のものが紡の中に挿入 ってくる。紡は更に声を上げた。さっきさんざん我慢させられて追い詰められたため、開放感からか、どうしても声が押さえられない。それにすごく――気持ちがいい。突き上げてくる霧原の腰の動きに夢中にさせられ、紡は激しく喘ぎ、よがった。自分のものと思えない、媚びるような――酷く甘い声が出る。
「あ!すごい、霧原さん!あ、あん!」
「どうして欲しい……?」
「もっと、そこ、もっと突いて、もっと奥まで、つよく、して……!あっ、イク!イっちゃ……あ、あああああ!」
小刻みに身体を揺すぶられて紡は、獣のような声を上げて達した。
床にぐったりと身を投げ出し、まだ息を切らしている紡に、霧原が満足げに呟く。
「すごいじゃないか――耐えさせた甲斐があったな。自分で気付いてるかい?前に触っていないのに、後ろからの刺激だけでいくことができたんだよ。随分と開発されたものだ。期待以上だ――」
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