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第24話

それから紡は、霧原に性的奉仕を命じられた時は、頭に霞がかかったようなぼんやりとした状態で、ただ機械的に従うようになった。 霧原にされることは――弟の幸せを護るための義務と思うから耐えてきた、そう考えていたのに――あの潤滑剤――どうやら何かの薬が入っていたようだが――それを使われた時、初めて自覚できるはっきりとした快楽があり――紡はそれがショックだったのだ。 霧原にされることは――ずっとただ、おぞましいだけと思っていた。例え身体が反応しても、ムリヤリそうなるよう刺激されているだけ、そう思っていたから耐えられたのに――霧原に体内(なか)深くを突かれ続けたあの時、あまりに気持ちが良くて、本気でもっとして欲しいと感じてしまったのだ。 あんな恐ろしいことを――もっとしてもらいたいだなんて。自分で自分がわからない。 霧原は身体だけじゃなく紡の心までも――紡自身から取り上げ、管理することに成功してしまったのだろうか……

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