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第44話
霧原が、ようやく之彦から解放してもらえた紡の、投げ出した両脚の間のものを撫でている。
「たくさん出したね……すごかったじゃないか、あんなに乱れて。相当良かったようだね、之彦くんのは」
「紡ちゃんのアxルも良かったよ?すげえ締まるの。気持ちよかった。霧原さん、いい仕事するよなぁ」
「手塩にかけて育ててきたからね……」
紡は動けないままぼんやりと二人の会話を聞いていた。
おじさん……瀬島さんが……之彦さんの呼んだ人だったなんて……
ここに連れてこられる車の中で、霧原は紡に、自分の友人の之彦という人が紡と仲良くしたいそうだ、と話したのだった。
魅力的な男性だから紡もきっと気にいる。それと、あともう一人誰か素敵な人を招いたそうだから、楽しみにしていなさい――とも。
なぜ大人の人達が自分と仲良く?と紡は疑問に思ったのだが、ホテルの部屋へ連れてこられ、服を脱ぐよう言われて納得した。なんのことはない、性行為の相手をしろという意味だったのだ。そうだよな、と紡は心の中で自分自身を嘲笑った。
之彦は確かに容姿の良い男で、身体も引き締まり美しかった。男同士の行為に慣れているようで、紡は裸にされてすぐ昂ぶらされ、翻弄された。
そしてもう大分追い詰められていた時、瀬島が――部屋にいるのに気がついた。
霧原は知っていたのだ。瀬島が紡の、唯一の心の支えになっていたことを。だから彼を呼んだのだ。
もう――もう駄目だ……
紡は泣くこともできないほどの深い絶望感を味わわされていた。あんな風に――感じてしまって声を上げている所を、大好きなおじさんに見られてしまうなんて……男の人に挿 れられて――いかされる所を見られたなんて。
おじさんは……紡が普通の高校生と思っていたからあんなに優しくしてくれていたのに。こんな――霧原さんに飼われているだけの、ただのいやらしい……慰み物なのだと知られてしまっては――もう会ってもらえないだろう……
ううん、会いたくない。紡は身を切られるような悲しみの中で思った。
こんな事の後にはもう……とても会いになんか行けやしない。
霧原は、紡がせっかく見つけた、いちばん大切にしていた世界を――完璧に砕き、壊してしまったのだ――
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