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第7話 風変わり恋愛5

 幸治が秋晴に背を向ける。秋晴に拒まれたこともあって、今日のこの行為はここで終わるつもりなのだろうことが秋晴にも察せられた。だからこそ、秋晴は幸治のその大きな背中にぴたりと身体を寄せた。 「……ちょっと……いや、すっごく嬉しかったし。それに、幸治が勘違いしてるのもわかったし」 「勘違い?」 「恥ずかしいから、きちんと言ってなかったけど……俺は、本当に今の状態で満足してる。αのくせに、って笑われるかもしれないけど。幸治こそ、よかったのか? 本当は、その、抱かれたいとか思ってるんなら――」 「つくづくΩらしくないが、発情状態になることはあっても、抱かれたいと思ったことは一度も無い。寧ろ――」 「寧ろ?」 「発情状態になってる時は、秋晴をめちゃくちゃに抱きたくてたまらなくなる」 「ッ、えっと、その……」  ストレートな幸治の物言いに、秋晴は顔を赤らめた。先ほどまで自身から大胆に抱きついていたのも忘れ、ベッドの上で後ずさる。しかし、それにいち早く気がついた幸治が、秋晴に覆いかぶさるようにして逃げ場を奪った。 「なぁ、秋晴なら俺が今発情状態なの分かるだろ?」  幸治の手によってベッドの上に縫い留められた秋晴の首筋に、幸治の唇が触れる。熱い吐息が触れ、濃い幸治の匂い(フェロモン)に包まれ、秋晴の身体に遠退いていた熱が再び集まりだした。 「ん、ふっ……ああッ!! ま、いきなり……んんっ!?」  性急に性器を弄られ、あっという間に上り詰めさせられる。そのまま、秋晴の精液で濡れた幸治の手が秋晴の後ろに宛がわれ、荒っぽく解されていく。  狭い場所をこじ開けられる感覚に始めのうちは息を詰めていた秋晴だったが、何度も幸治を受け入れたことのあるそこはすぐに柔軟さを見せ、幸治の指を締め付けた。 「……秋晴が煽るから、我慢できない」  幸治を拒む理由は秋晴にはなかった。それに、秋晴も幸治をはやく感じたかった。 「っ、いい、よ……ゆき、はる……も、ほし、い――――あ、ああぁッ!!」  腕を広げ、幸治を迎え入れる。後ろに宛がわれた質量のある幸治の性器が、ずぐり、と秋晴の中へと押し入ってくる。頭の中が焼き切れるような快感が押し寄せ、秋晴の体がぶるぶると震えた。 「秋晴の中、凄くいい……っ……。あまり、長く持ちそうにない……」 「や、も……わけ、わかんな……ひ、ぃっ……ッ!!」  余裕のない幸治の声と共に抽挿が激しくなり、体がバラバラになってしまいそうなほどの快感に絶えず襲われる。  秋晴は愉悦の涙を溢しながら髪を振り乱して喘いだ。  いつも、幸治とのセックスは気が狂ってしまいそうなほどの快感を感じてるが、今日はいつも以上に濃い幸治の匂いに当てられているせいか、文字通りそのまま死んでしまいそうなほどの快楽が秋晴の全身を満たしていた。 「っ、く……秋晴……っ、う……!!」 「ひ、うッ――ッ、んんっ!!」  快感に滲んだ呻き声に混じって幸治が秋晴の名前を呼ぶ。それに応えるかのように秋晴は幸治の腰に脚を絡ませ、内壁で幸治の熱杭を締め付けた。  幸治も限界だったらしく、熱杭が一際大きく膨らみ、そうして焼け爛れてしまいそうな錯覚を覚えるほどに熱く感じられる精液が秋晴の中に注がれていく。  その感触にすら、秋晴は身体をのたうたせ感じていた。

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