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第4話

 ほとんど毎日バイトのある俺は大学とバイトと家の往復で秋穂さんや永徳に誘われても断ってばかりだった。 永徳もほとんど参加しないらしく秋穂さんから翔君が来ないと永君も来ないと不満をこぼされた。 永徳も永徳で翔がいないとつまらないと断るらしく、秋穂さんの不満が俺へと回ってくる無限ループだ。 「ただいま」 疲れた身体で靴を脱ぎながらリビングの明かりに佑真さんが帰っていることに気付くと疲れが消えていくようだから不思議だ。 「おかえり。毎日遅いな、大丈夫なのか」 ソファで難しそうな本を読んでいた佑真さんの心配そうな表情に嬉しくなってしまう。 「佑真さんといられるだけで元気になれますから」 そう言って微笑む俺を見て少し困った顔をした佑真さんは目を逸らした。 佑真さんに好きだと言われ俺も好きだと告げたあの日のキスから佑真さんは何もしない。 まるであの日の事がなかったみたいに。 佑真さんはなかった事にしたいんだろうか。 だけど俺にくれる言葉や眼差しは優しくて、だから余計わからなくなる。 一緒に暮らす事が決まって空いている部屋を俺の部屋にしてくれた。 ベッドも机も揃っていて贅沢すぎるくらいだ。 それでも俺はもっとそばにいたい、触れたい。 そう思っているのは俺だけなのかもしれない。 そんなことを考え出すと寂しくて仕方なくなる。 俺ってこんなに女々しかったのか……。

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