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第41話

「あいつどこいきやがった……」 永徳を探して足早に校舎を歩き回り、こめかみから流れ落ちる汗を拭い悪態をつきながら窓の外の照り付ける太陽に眉をひそめた。 いつもなら授業がなくても顔を見せていた永徳が今日は全く姿を見せていない。 そしてさっき山下さんから聞いた永徳がサークルを辞めるという話。LINEをしても返信どころか既読にもならない。 永徳のことだから昨日俺が追い出すように帰ってくれといったのを何か誤解しているんだろうけど……確かに昨日は俺も混乱して態度が悪かったかもしれない、だからって避けてたってしょうがないだろ。 永徳の気持ちがわからないわけじゃない、拒絶されるのが怖いんだ。逃げている間は拒絶されなくて済むから。 本当に嫌になるくらい俺と似ている。 「いた……」 人もまばらな自習室で外を眺める永徳の横顔がすごく寂しそうで……。 そんな顔するなら避けなきゃいいんだよ、わかってはいてもそれがうまくできない。 俺もいつだってそうだ。 「永徳、LINE無視してんじゃねぇよ」 「――っ翔!」 驚いて立ち上がる永徳はやっぱりでかい。 「座れ」 座りながら俺の方を見ない永徳をじっと見つめた。 「ごめん……」 困ったように笑い座るとまた視線を窓の外に向けた。 「お前、何で俺の事避けてんの?」 「避けてなんか――」 「避けてんじゃん」 どうしていいかわからず戸惑う永徳の横顔に溜息が漏れる。 「お前、俺の事信用してないの?」 「そんなことない!」 「昨日の俺の態度が悪かったのかもしれないけど、永徳の事を気持ち悪いとか思ってないからな」 俺を見つめる永徳の真剣な眼差しにやっぱり少し怖さを感じてしまって目を逸らしてしまう。 「でも……」 わかってはいるけど不安なんだろ、小さく呟く永徳の気持ちはよくわかる。 「俺、お前しか友達いないからお前に無視されるとひとりになるんだけど?」 「友達……そうだね、ごめん」 まだ何か納得していないのか永徳は複雑な表情を浮かべながら少し笑った。

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