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第80話【R-18】
久しぶりにゆっくり眠れたおかげで目を覚ました俺の身体は軽かった。
隣で眠る佑真さんを見ていると昨日の熱を思い出したかのように俺の身体が熱を持ち疼き出した。
俺はこの人が欲しい。
佑真さんを起こさないようにそっとベッドを抜け出すと浴室へ向かった。
浴室の壁に手をつき泡を絡ませた指でそっと後孔をなぞりゆっくりと差し込んだ。
「……っ」
わずかな痛みが兄さんに抱かれた事を思い出させ、ぴたりと身体は動きを止めてしまう。
痛み、傷つき、苦しんだ……もう二度と思い出したくないほどに。
それでも俺は佑真さんに抱かれたい“道具”としてじゃなく俺を好きだと言ってくれる佑真さんと心も身体も繋がりたい。
「佑真さ……ん」
小さく名前を呼び圧迫感に耐えながら指を増やし、はぁと大きく息を吐いた。
『痛い思いをしたくないなら自分で慣らせ』痛みで泣き叫ぶまだ中学生の俺にそう言っていた兄さんの教えがこんな所で役に立つとは思ってもいなかった。全くありがたくない教えではあるけど。
兄さんの時は少しでも痛みを和らげようとしていた行為も佑真さんを思い浮かべると俺の下半身は熱を持ちゆるく勃ち上がってしまう。
慣らし終えた身体をシャワーで洗い流すと、朝っぱらから何をやっているんだろうと急に恥ずかしさが込み上げてくる。
これで断られたりしたら俺すごく間抜けだよな。
今まで抱いて欲しいと言う度に佑真さんにできないと断られていた。怪我をしているからとか熱があるからとか確かに理由はあったけど、本当は抱きたいと思っていなかったらどうしよう。いや、佑真さんは俺を抱きたいと言っていた。
その気じゃないなら、その気にさせればいいんだろ。
だからきっと大丈夫だ。多分……。
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