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第81話【R-18】

「佑真さん……」 小さく名前を呼びベッドに膝をつくと静かな部屋にベッドの軋む音がやけに大きく聞こえ、緊張感が増していく。まだ眠る佑真さんを真上から見下ろし癖のない黒髪にそっと手を差し込んだ。 「佑真さん……」 もう一度小さく呼びゆっくり顔を近づけていく。 「今日は言わないんだな」 唇が触れそうになった瞬間、目を開けた佑真さんが悪戯っぽい笑みを浮かべた。 「起きてたんですか、言わないって何を」 「ん?寝ていてもかっこいいって」 倒れ込むように身体を預け耳元で囁く俺に囁き返した佑真さんがくるりと身体を反転させた。 「言われ慣れてるでしょ」 「お前に言われるのは嬉しい」 真上にある佑真さんの顔を見つめながら口を尖らせる俺にさらっと返すと額から頬へとキスを落としていく。 「佑真さ……ん」 求める俺に応えるように唇は重なり、何度も角度を変え深く繋がり絡み合う舌に全身の熱が下半身に集まっていく。 「佑真……さ……ん……お願い……」 「翔」 熱い吐息を漏らし、潤んでしまった目で佑真さんを見ると少し困った表情をしていて不安になる。 「俺じゃだめ……ですか?」 「そうじゃない。お前が怖がっても止めてやれる自信がない」 「佑真さんの事を怖いと思った事なんてないって何度も言ってるじゃないですか」 それが佑真さんの優しさだとわかってはいるけど、そんなこと言っていたら何もできない。 なにより準備までした俺の決意をどうしてくれる。 「お願い」 離れようとした佑真さんの首に腕を回し耳元で囁いて耳朶に軽く歯を立てた。 「おっまえ……怖くなったらちゃんと言えよ」 優しくそう言うと俺の服を脱がせ首筋から鎖骨へと流れる佑真さんの唇の感触に喜びで身体が震え出しそうになる。 触れ合う暖かさに今まで感じた事のないほどの幸せが広がっていく。 もっと触れたい、触れて欲しい。愛していると愛されていると確かめたいから。 「んっ……あっ……」 佑真さんの手がするりと胸元を滑り長い指が胸の突起に触れると自分でも驚くくらい甘美な声が出てしまう。 ふっと笑みを漏らした佑真さんがその突起を口に含むとびくんと身体が跳ね、刺激され続けるそこはじんじんと熱をもってくる。 「あっ……!」 何も考えられなくなっていく俺のズボンを下着ごと脱がすと恥ずかしさで閉じようとした両足の間に佑真さんが身体を割り入れ、形を変えた俺の中心を包み込んだ。 「俺だけを見てろ、翔」 目を細め俺を見つめながら期待に震え蜜を溢れさせる先端を親指でゆっくりとなぞった。 「佑真さ……も……おねが……」 足りない刺激に縋るような目を佑真さんに向けると軽く触れるだけのキスを唇に落とし、長い指を絡ませながら俺の昂る中心を扱き出した。 「んっ……はっ……や……」 「聞かせて翔」 待ち望んだ刺激に抑えきれない声を抑えようと手の甲を口元に押し当てる俺の手を佑真さんは優しく掴むとちゅっと音を立てて口づけた。 「あ……も……だめ……やめ……っ」 佑真さんの動きに合わせて硬度を増した俺の中心は絶頂が近いことを知らせていた。 「イケよ」 艶を含んだ佑真さんの声に抑えることもできず身体を強張らせ欲を吐き出した。

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