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第82話【R-18】

「俺も佑真さんの触りたい」 乱れる息を整えながら上半身を起こし布越しに触れた佑真さんのそれは硬くなっていて俺と同じ気持ちなんだと思うと嬉しくなる。 「翔っ……」 ぴくりと震え腰を引く佑真さんにどうしてと目で訴えた。 「そんな顔するな。あまり余裕がない」 苦笑しながら覆いかぶさる佑真さんと身体が重なる。素肌が触れ合う感触がこんなに心地いいなんて知らなかった。 貪るように深く絡み合う舌に身体は熱くなり全身が佑真さんが欲しいと騒ぎ出す。 「佑真さ……」 「翔、腰上げて」 俺の腰の下に枕を差し込み、ベッドサイドの引き出しから取り出したローションを指に絡ませる佑真さんが艶っぽくて顔が熱くなって直視できない。 「嫌だったら言えよ」 俺の額に軽くキスを落とした佑真さんの優しい眼差しの奥の瞳が欲情に揺れていてそれが凄く嬉しい。好きな人に求められているってこんなに嬉しくなるのか。 「ちょっ……あっ……」 太腿を持ち上げられ後孔が露わになった体勢は嫌だとかじゃなく恥ずかしくて思わず引いてしまう俺の腰を片手で掴みあっさり引き戻した。 「翔、力抜いて」 シーツを握り締め、目を固く閉じる俺のこめかみに軽くキスをして耳元で囁かれる佑真さんの艶っぽい声に力が抜けていく。 「あっ……」 ローションを絡ませた佑真さんの指が後孔をぐるりとなぞり、ゆっくり沈み込んでくる。 「翔……」 通常より柔らかくなっているそこに違和感を覚えた佑真さんが不思議そうな顔で俺を見る。 「だっ……て、佑真さ……とシたかっ……からっ……」 俺の中で蠢く佑真さんの指に快感が押し寄せまともに声が出ない。 「お前は本当に……!」 「ああっ……!!」 佑真さんの表情から余裕が消え、増やされた指の圧迫感に一際高い声を上げた。 慣らしたつもりではいたけど、俺と佑真さんの指じゃ長さも太さも違っていて本当に佑真さんのが入るんだろうかと不安になってくる。 「もう少し我慢な」 圧迫感に詰まりそうな息を小刻みに繰り返す俺に佑真さんが口角を上げた。 そんな顔もかっこいいなと頭がぼんやりしてくる。 「え……っ……なっ……ああっ……!」 蠢く佑真さんの指が内壁を擦った瞬間、痺れるような快感が身体中に走り、擦られた場所がじわりと熱をもちはじめた。 「あぁ……ここか」 満足そうな笑みを浮かべた佑真さんが何度もそこを擦り上げてくる。 何度も押し寄せる抗えない快感に涙が溢れ、俺の中心は勃ちあがりはじめ無意識に腰が浮いてしまう。 「ゆ……ま……さ……も……」 佑真さんが欲しいと涙で滲んだ目で訴える俺からゆっくり指を引き抜いた。 俺の中からなくなる圧迫感と快感にはぁと熱い吐息を漏らす俺を見つめかわいいなと呟いた。 かわいいって……佑真さんの美的感覚どうなってんだよ。 「翔、好きだ」 そう言うと俺の腰を引き寄せ昂る佑真さん自身を後孔に充てがいゆっくりと腰を沈めはじめた。 「うぁ……っ」 指とは全く違う圧迫感に身体に力が入ってしまい涙が零れ落ちる。 「翔、怖がるな……っ」 苦しそうに息を吐く佑真さんは涙の溢れる俺の瞼に優しくキスを落とすと、ゆるく勃ち上がる俺の中心に長い指を絡ませた。 「あっ……はぁ……んっ!」 その刺激に力が抜け、腰を進める佑真さんに俺の中が押し広げられていく。 「悪い翔、優しくしてやれない」 額に汗を浮かべ余裕のない表情でそう言うと一気に奥まで貫いた。 「ああああっ!!」 背中を仰け反らせ目を見開く俺を佑真さんが心配そうに熱のこもった目で見つめた。 「大丈夫か」 「俺の中……佑真さんでいっぱい……」 心と身体は繋がっているんだと初めて知った。 兄さんとの行為は苦しいだけだったのに心があるとこんなにも幸せなのか。 ふっと笑みを浮かべる俺に眉をしかめながら唇を重ねた。 「これでも我慢しているんだから、あんまり煽るなよ」 痛みはないけど圧迫感が凄い。だけど俺の中が佑真さんでいっぱいになっている事が嬉しくて仕方がない。 深く重なり吐息が混ざり合う咥内は熱く、うっすら汗ばんだ素肌が触れ合う感触に今まで味わったことのない高揚感を覚えた。 「翔、動くけどいいか?」 唇を離し熱い吐息を漏らす佑真さんに小さく頷くとゆっくりと動きはじめた。 「あっ……んんっ……」 ゆっくりと引き抜かれる佑真さん自身を感じて嬌声が漏れる。 「あああっ!」 再び最奥を突き上げられると目の前にチカチカと光が飛ぶ。 「翔……好きだっ……」 早さを増す佑真さんに内壁を擦られ痺れるような快感に頭は真っ白になってしまって何も考えられなくなっていく。 「や……だっ……あんっ……」 「翔、俺を見ろ」 視線を彷徨わせる俺の髪を梳く佑真さんの眼差しに包み込まれるようで多幸感が身体中を駆け巡った。 もう何の涙なのかわからない涙を零しながら佑真さんの動きに合わせて甘美な声を上げてしまう。 「翔……っ」 余裕のない表情で眉を寄せながら、それでも俺を呼ぶ声は優しくて佑真さんの想いが伝わってきて俺の心は今までにないほど満たされていく。 更に動きを早めた佑真さんの手が勃ち上がる俺の中心を包み込み腰の動きに合わせて上下に扱いていく。 「やっ……だめっ……イッちゃうっ……からっ……」 前と後ろから佑真さんに与えられる刺激に達(い)ってしまいそうなそれはびくびくと震えている。 「ああ……っ……俺も……っ」 切なげな佑真さんの声に俺が熱い欲を吐き出すのと同時に俺の中で佑真さんが大きく脈打っていた。 乱れた息のまま俺を抱きしめる佑真さんの鼓動は早いリズムを刻んでいた。 好きな人とするのってこんなにも……初めて知る身体の喜びが心まで暖かくしてくれる。 俺の心に佑真さんの想いが広がり、幸せを感じながら薄れゆく意識に静かに目を閉じた。

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