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第90話【R-18】
「だめ……だって……祐……真さ……んっ」
どうしてこうなった。
泡を絡ませた佑真さんの両手が身体中を滑り、くすぐったさからだんだん気持ちよくなっていく。そんな感覚に崩れ落ちそうになる身体を壁についた両手で何とか支えていた。
「こっちは気持ちよさそうなのにな」
耳元で囁き形を変えた俺の中心に触れた佑真さんの手がぬるりと滑ると、痺れるような快感が背中を突き抜けた。
「はっ……あ……」
「ちゃんと立って」
力が抜ける俺の腰を支えながら後孔を指でなぞるとゆっくり差し込んだ。
「んっ!……やだっ……」
「嫌なのか?だけど俺は翔を傷つけたくない」
「だから……そ……あんっ」
だからそれは自分でやりますという俺の言葉は増やされた指の内壁を擦る刺激に言葉にならなかった。
「ここ……かな」
「え……あっ……はぁん……」
俺の中をぐにぐにと撫でる佑真さんの指に抑えられない俺の嬌声が浴室に響き渡り、熱は更に増していく。
「佑真さ……も……我慢できな……っ」
両手をついたまま振り向き、足りない刺激に震える俺の中心を触って欲しいと縋るような目を佑真さんに向けた。
「っ……お前そんな顔……流すぞ」
欲情を宿した目で見つめ返し指を引き抜くと俺の身体にシャワーをかけはじめた。
「ふ……ぁんっ……!」
そんな些細な刺激にも敏感になった俺の身体は悦び、声が漏れてしまう。
雫の落ちる癖のない黒髪をかきあげ、バスタオルでくるんだ俺を抱き上げると足早にベッドに向かった。
「翔……」
熱を帯びた目が近付き唇が重なると待ちきれないと言わんばかりに俺と佑真さんの舌が絡みあった。
貪るように求めあう口づけはしばらく続き、咥内に広がる唾液をごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
「お願……い……佑真さ……っ」
俺の限界を知らせるように内腿が微かに痙攣していた。
「入れるぞ……」
「あ……はぁっ……んぅ……ああ……っ!」
俺を抱きしめゆっくりと腰を沈める佑真さんの身体が俺の中心を擦り、その刺激に限界を超えた俺は佑真さんの背に回した腕に力を込め熱い欲を吐き出した。
「翔っ……そんなに締め付けるな……」
耐えるように動きを止める佑真さんの背に回した手を熱い息を吐きながらそっと離した。
「離すな、俺から離れないでくれ翔……」
繋いだ手を絡ませ強く握り切羽詰まった表情を浮かべる佑真さんに愛しさが込み上げる。
「佑真さ……好き……大好きっ」
掠れた声で涙を滲ませる俺に微笑んだ佑真さんの唇が俺の唇と重なった。
俺は今まで佑真さんの何を見ていたんだろう。
何も言わずに佑真さんの前から消えた時も、好きじゃないと言ってしまった時もいつだって変わらない気持ちのまま待っていてくれた。
何もわからず待つ事はどれほど辛かったのだろう。
佑真さんの想いの深さに俺の求めていたものが俺の心に沁み込んでいって、閉じた瞼から涙が零れた。
「佑真さん……もっと佑真さんをください……」
溢れる涙で笑みを浮かべる俺の瞼に優しくキスを落とすと更に奥へと腰を進めた。
「んあっ……はっ……ふっ……あぁっ!」
俺の知らない奥まで入ってくる佑真さんに全てを知りたいと言われているようで、苦しいのに幸せだと感じていた。
「悪い翔、ちょっと限界……っ」
「はぁっ……あんっ……あっ……」
佑真さんの動きに身体は揺すられ奥を突かれる度に声は甘美なものへと変わっていった。
早さを増す佑真さんに脳が痺れ眼前に広がる眩しい光に意識が遠のいていった。
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