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第8話 記憶の繋がり

 黒崎は、眠りと覚醒の狭間で、自分が病院にいることに気づいた。  ……あれ? オレ、昨夜、当直だったかな?  ああ……、やばい。いつの間にか、眠っちゃってたみたいだ……。  重くてなかなか、持ちあがってくれない瞼を必死にこじ開ける。  ぼんやりとした視界に、いつもの見慣れた医療機器たちがあったが、それを見る角度がいつもとは違った。  …………?  視界は徐々にクリアになっていくが、依然頭はぼんやりと霞がかかっていて、状況がいまいちつかめない。  そのとき、そばを通りかかった看護師が、黒崎が目を覚ましているのに気づき、 「あ、黒崎先生、気が付きましたか? 今、沢井先生を呼んできます」  そう言って、走っていった。  黒崎の中でゆっくと記憶の糸が繋がっていく。  ……ああ、そうだ。  昨日の帰り、出入り口のところで、また左半身がすごく痛んで、立ってられなくなって……、そしたら、沢井先生が来て……。  ……それからの記憶がない。  黒崎が思いだそうとしていると、沢井がやって来た。

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