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第22話 深まる謎
沢井の姿を見る度、謎は深まり、結果、食が進まない。
ここ数日はそんな繰り返しだった。
青空に鳥が楽しそうに舞っている。
ぼんやりとそれを見ていると、
「黒崎」
後ろから沢井の声が聞こえた。
沢井が屋上の扉を開けると、フェンスに体を預けて空を見あげている黒崎の後ろ姿が見えた。
白衣に身を包んだ彼の体は確かにずいぶんやせたように思える。
『黒崎のやつ、この頃、食欲がないみたいなんです。さっきもオレたち食堂で一緒だったんですけど、あいつほとんど食べてなかったし。またどこか具合が悪いんじゃないかって、オレも小野も心配で……』
先ほど社員食堂で偶然顔を合わせた山本が、心配そうにそんなことを言ってきた。
いつも、黒崎のことを気にかけ、見ている沢井には、山本に言われるまでもなく、彼の食欲が振るわず、ずいぶんやせたことに気づいていた。
入院生活の影響かと最初は思っていたのだが、さすがにもうそれはないだろう。
とにかく黒崎が屋上へ上がったという情報を得て、沢井も屋上へ来てみたのだ。
「黒崎」
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