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第41話 強い寂寥感

 扉が閉まり、電車が動き出す。  硝子越しに沢井が小さく手を振り、見送ってくれている。  黒崎はそれに会釈で応えると、またもや泣きそうな気持ちが込み上げてきた。  本当にオレはいったいどうしてしまったんだろう?  自分の気持ちに狼狽えるばかりだった。  電車がどんどん加速して、沢井の姿が見えなくなる。  黒崎はたまらない寂しさに襲われ、そして思っていた。  ずっと沢井先生と一緒にいたい、と。  一人の部屋になんか帰りたくない。  いつまでも沢井先生の笑顔を見ていたい、傍にいたい、と……。  確かに強く願っていた。  黒崎は沢井から贈られた絵が入った紙袋を、腕の中で強く抱きしめ、初めて感じる寂しさに心を震わせていた。

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