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第84話 ケダモノたち

 黒崎は強い怒りと嫌悪感を覚え、叫ぼうとしたが、ガムテープで口を塞がれているため、喉の奥でくぐもった音が漏れただけだった。  三人を怒りの籠った目でにらみつけたが、それは逆に彼らの残虐な欲望をあおる結果となってしまい……。 「今夜はたっぷりと楽しませてもらうから、黒崎」  ウラワが醜く歪んだ笑みを浮かべ、黒崎が着ている黒のハーフコートをたくし上げた。  黒崎は、こんなやつらに短時間とはいえ、付き合ってしまった自分の軽率さを呪った。  黒崎が連れ込まれた場所はマンションの一室のようだった。  黒崎はうつ伏せにされ、後ろ手に縛られて自由を奪われた形で、クリーム色のカーペットの上に転がされていた。  足は縛られてはいなかったが、睡眠薬の効き目がまだ残っているのか、力が入らない。  逃げることはできなかった。  ……沢井先生……。  黒崎の心に愛しい人の顔が浮かんだ。  抵抗もできず、声さえ出せないまま、ジーンズを下着ごとずり降ろされた。  あらわになる下半身。  それを欲望にまみれた目で見つめる三人の男たち。  黒崎は激しい屈辱と恐怖を覚えた。  

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