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第86話 地獄のとき *レイプ描写有り
「あー、オレもう待てねー。こいつの口に突っ込むから、ガムテとっていいだろ?」
ケダモノの一人が忙しなくズボンのジッパーを下ろす。
「ちょー、叫ばれたりしたら、やばいんじゃね?」
残りの二人のうちのどちらかが、一応という感じでそう言ったが、明らかにその口調は楽しんでいた。
「大丈夫。すぐにオレのコレで塞いでやるからさ」
下品な笑い声を上げる。
「まー、この部屋は角部屋だし、もう片方は夜の商売みてーで、こんな時間はいつもいないしな、少々騒がれても平気だろ」
ケダモノは黒崎の口を塞いでいるガムテープを勢いよく引き剥がした。
一瞬、呼吸が楽になった黒崎が大きく息をしようとした途端、それを遮るように凶器のように固いソレが口の中へ入ってきた。
喉の奥まで突いてくる乱暴さと、むせ返るような雄の匂いに、黒崎は耐えきれずに吐いてしまった。……とはいえ、胃の中はほとんど空っぽで、先ほど飲まされた睡眠薬入りコーヒーと胃液くらいしか吐くものはなかったのだが。
それでも男は激怒し、
「なに吐いてやがんだよっ! てめぇっ」
黒崎の腹部を力任せに蹴った。
痛みのあまり咳き込みそうになるが、男のソレが口を塞いでいるため、それさえもままならない。
残酷で卑劣なケダモノたちは、何度も何度も黒崎をもてあそび、その地獄のような時間はなかなか終わらなかった。
黒崎はもう苦痛さえ感じなくなり、虚ろに閉じた心のまま、ケダモノたちが自分を喰いつくすのを待つだけだった。
意識を失っては無理やり覚醒させられる、そんなことがどれくらい続いただろうか。
……もしかしたら、オレここで殺されちゃうのかな……。
せめてもう一度、沢井先生の顔、見たかった……。
頭の隅で、ぼんやりとそう思ったのを最後に、黒崎の意識は深い闇の中へ落ちて行った……。
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