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肉豆腐13
「春。何してんの?お前。」
春は嬉しそうに立ち上がった。
「最近顔見せなかったけど。。って
どうした?その頬。。」
殴られたのか赤く腫れている。
「ああ。。大丈夫です。
今日店お休みだったんですね。
知らなくて。。すいません。」
と言った瞬間に グーッと腹が鳴る音が響いた。
途端に真っ赤になり頭を掻いている。
いつも腹ペコだな。
「中入れ。氷で冷やした方がいいよ。
飯もなんか食わせてやるから。」
ついてくるように目で促し 裏に回った。
鍵を開けて電気をつける。
いつもの通り椅子に座らせて
新しいタオルを出し 水に濡らしてよく絞り
冷凍庫から氷を出してタオルで巻いた。
そっと腫れた頬に押し当てると
痛そうに顔を歪める。
「お前。変な事やってんじゃねえよな。
そんな殴られるような仕事マトモじゃないだろ。」
春は返事をせずに黙って困ったように
眉を下げていた。
まあ。いっか。
そのまま当てておくように言い
冷蔵庫から試作品の途中の食材を出す。
また今度にして簡単に炒めるか。
キャベツも出し 新メニューの試作品として
使おうと思っていた豚バラ。
その他野菜と一緒に野菜炒めにする。
冷凍してあった白米をチンして茶碗に盛り
それに豆腐と玉ねぎの味噌汁を作って
全部テーブルに並べると
買ってきたビールとつまみも一緒に置いた。
「ビール。飲める?」
念の為確認すると 春はコクンと頷き
ポケットから五千円札を出す。
「あの。今までの分もって思いまして。。」
そう言って 俺に向かって 札を差し出した。
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