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肉豆腐18

タンスから便箋を出し ペンを持って戻り はい。と春に渡す。 「今から俺が言う事をそこに書いてみ。 まず 名前 年令 生年月日に連絡先。。って お前携帯は。。あるわけないか。 まあ。じゃあいーや。」 春は首を傾げながら 言われた事を書いていった。 へえ。 字はすごい綺麗。 「次は本籍。。って街だけでもいいぞ。」 そう言うと 神奈川県横浜市と書いた。 「お前。生まれ横浜なの?」 勢いこんで聞くと あまりの前のめり感に 春はたじろぎながら 頷く。 「そうかあ。俺も生まれは横浜。 って言ってもなんの思い出も無いけど。 行った事も無いしな。。生まれてすぐに この家に引っ越してきて。両親が事故で 俺がガキの頃に死んで。それからは じいちゃんばあちゃんと暮らしてたんだけどさ。 二年前に二人とも死んじゃった。」 二人とも年だったし 仕方がない事なんだけど。 春の申し訳なさそうな表情を見て ああ。内心の寂しさを読まれたかなと思った。 俺にはもう誰もいない。 オンナは無理だから子供も作れないし 家族も作れない。 周囲の人達に助けて貰ってるけど 個人的な寂しさまでは埋められないからな。。 だから尚之と別れられない。 アイツに対する気持ちなんて。 もうとっくに無くなってるって自分でわかってるのに 見て見ぬ振りを何年も続けて。。 求められる事に執着し 人肌にただ縋りつくだけの自分。 全く。 情けない。 はあ。とため息をつき両拳を握りしめる。 すっと腕が伸びてきて よしよしと頭を撫でられた。 え。 顔を上げると 春は自分で自分にびっくりしたように あわあわと手を外して掌を見て 「すいません。。つい。なんでだろう。。」 ぺこぺこと謝っている。

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