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肉豆腐22

「ここ使っていいから。掃除はしてあるけど 布団は日に当ててないから今日は我慢な。」 押入れを開け 布団を出そうと背伸びをすると 背中越しに ぬっと腕が伸びてきて むんずと布団を掴み 軽々と出してくれる。 「デカイよなぁ。いいなぁ。」 横に並ぶと見上げるようだ。 春は少し嬉しそうに笑みを返すと 手際よく布団を部屋の真ん中に敷き 新しいシーツをその上にピシッとかけていく。 デカイ体の割には動作は早いし とても丁寧。 へえ。。 意外とコイツ。使えるかも。 感心しながら眺めていると 顔半分覆っていた髭を 綺麗に整え 長い髪をゴムで縛って サッパリした春は 出来ましたと立ち上がり ニコッと微笑んだ。 やっぱりイケメンじゃねーか。 風呂入る前とは大違い。。。 メガネは相変わらずダサいけど。 さっき ブンブン首を振って恐縮する春を 追い立てるように風呂場に連れていき 「シェイバーはその電動使っていいから。 仮にも客商売だし そのボーボーの髭はある程度 何とかして。剃りたくないなら整えろ。 下着が無いんだよな。。まあ 今日は我慢して 明日色々一緒に買いに行くからな。 ああ。金はお前から貰ったコレがあるよ。」 くしゃくしゃの五千円札を見せると でも。。と躊躇し それでもそうした方がいいと 思ったのか 春は申し訳なさそうに頷いた。 「その今着ている服は そこの洗濯機の中に 放り込んで回しとけ。すぐ洗って干しときゃ 明日の朝には乾くだろ。」 洗剤の位置を指差し 脱衣所の棚から 新しいタオルを出して渡す。 「・・ありがとうございます。 湯船に浸かるの久しぶりだな。。」 「うちは風呂は自慢だぞー。じいちゃんが風呂好きで こだわって直したから 下手な温泉宿より立派。」 ガラガラとガラス戸を開けた。 黒御影石のタイルに檜のデカイ浴槽。 大きな窓から庭が見える。 一日の終わりにこの風呂に入り 庭を眺めながらゆっくりするのが至福の時。 春も目を見開いて すごい。。と呟いた。

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