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肉豆腐24
ニャアニャアと猫の鳴き声がして
春はゆっくりと目を開ける。
見慣れない天井。
何処だ。。ここ。。
パッと上半身を起き上がらさせ 身構えながら
辺りを見渡して ああ。そうか。。と
ホッと息を吐き出した。
佑さんに住み込みで働けって言って貰って。。
久しぶりに手足を伸ばしてゆっくり寝かせて
貰ったせいか ずっと続いていた体の痛みが
無くなっている。
のそのそと布団を出て畳み 押し入れに仕舞った。
昨日 洗って貰った下着が乾いていたので
履いて 作務衣のズボンを履き
襖を開けて廊下をそろそろと歩く。
座敷の開けっ放しの入口から顔を出し
中を覗き込むと 昨夜の様に縁側に座り
煙草を燻らせている佑さんの背中が目に映った。
華奢な体なのに 背中が大きく見える。
会った時も思ったけど 綺麗な人で。
笑うと少し幼く見え 可愛い。
色白で大きな瞳。顔も小さいし。。
それに。心も綺麗なんだなって。
俺みたいな胡散臭い奴にも分け隔てなく優しくて。
来るお客さんお客さん 皆んなに愛されているのが
見ていてよく分かる。
それでいて男らしくて 思い切りが良くて。
合格って言われた時は本当にびっくりした。
でも。
何処か寂しげに見える。
ふとした瞬間に折れてしまいそうな危うさが。。
近づいていくと 庭に猫が何匹も集まり
餌が入っているのか二つ置いてある皿に
群がっているのが見える。
ふっと気配を感じたのか 佑さんは振り返り
「おう。おはよ。よく寝れたか?」
「はい。よく眠れました。ありがとうございます。」
頭を下げると そっか。と笑みを見せた。
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