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肉豆腐26

炊きたての米で作ったおにぎりと味噌汁で 朝食を済まし 布団を干してから 二人で家を出た。 「まあ。今日はしょうがねーけど やっぱり 親父の服じゃ古臭いな。」 並んで歩きながら 佑さんは俺の上から下まで すーっと視線を滑らせ 口元を緩める。 胸にワンポイント刺繍が入った黒の長袖の ポロシャツに茶色のズボン。 サイズはぴったりだった。 「まずは当面着る服だな。家の中でそれなら まあ。いいけど。」 「いえ。。充分です。」 お父さんの大事な服を着せて貰って 感謝こそすれ 文句なんて何もない。 佑さんは苦笑いしながら 「せっかくイケメンなのにそれはねーよ。 年月経ってるから褪せてるし。 とはいえ 今から行く店も 安さ重視だけどな。」 商店街のメイン通りに出て どんどん歩く。 カジュアルファッション セシルと書かれた 看板の店の前で 佑さんは店内を指し 中に入っていった。 「佑。早いな。どうした?」 と男の人の声が聞こえてくる。 「健ちゃん。おはよ。悪いんだけどさ。 コイツに一通り服見繕ってよ。 Tシャツとジーパン。あとは長袖のシャツとか 一週間着回せるくらい枚数重視で。」 健ちゃんと呼ばれた 坊主頭にピアスの人は 俺を眺めて デカイな。。と呟いた。 「Tシャツは白Tならそのパック5枚で480円。 柄が入ってるやつはそこにセール品あるから 好きなの選べよ。一枚300円からある。 サイズはLでいけるか。。アメリカンサイズだから 少しデカめだしXLじゃなくていいだろ。」 健さんはそう言いながら 服を俺の背中に当てる。 「Lね。。シャツならこの辺か。。」 長袖のシャツが並ぶ棚を 佑さんが物色し始めた。 「ジーパンも型落ちがあるからこの辺りは 値段下げてる。タッパがあるから裾は平気だな。 サイズは。。と。」 健さんは俺に近づき 腰回りをサッとメジャーで 測って 何本かジーパンを出してくれる。 「チノパンも安いぞ。」 Tシャツとシャツの柄を選ばされ 何度か試着を繰り返すと 気が付けば レジ前には沢山の服が山積みされていた。 「ここは嘘みたいに安いけど 全部ちゃんとした物だぞ。売れ残りとか 在庫手放したヤツとか安く仕入れてるから。ね。」 佑さんがそう説明すると健さんはニヤッと 笑みを浮かべる。

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