27 / 74
肉豆腐27
「こういう小さい店は品質と価格が勝負なんだよ。
端数切って 4000円でいいわ。」
「ありがと。助かったよ。」
健さんが大きな袋に服を入れながら
「で。コイツ誰?」と聞く。
「ああ。明日からうちで働くバイト。
事情があって身の回りの物揃えなきゃ
いけなくてさ。」
佑さんがそう言うと へえ。。と眺められる。
「まあ。佑のやりそうな事だな。
バイトくん。我が商店街にようこそ。」
ぎゅっと手を握られ 急いで頭を下げた。
「一ノ瀬春です。よろしくお願いします。」
「おう。礼儀正しくていいね。よろしく。」
健さんはニコッと微笑み 袋の口をテープで
止めると はいよ。と渡してくれた。
店を出ると さて次は。。と歩き出し
違う洋品店に入る。
「あら。佑ちゃん。どうしたの?」
眼鏡をかけた白髪の女性が声をかけた。
「美智子さん。おはよう。下着貰うね。
ほら 春 そこに男性用あるから。
一枚100円から。ヤバイだろ。」
ケラケラ笑いながら指差した。
確かに安い。。
トランクスもボクサーパンツもある。
五枚選ぶと 美智子さんは紙袋に入れ 渡してくれた。
佑さんはエプロンを見ている。
「あー。これでいいな。」
デニム生地で丈夫そうなエプロンを
一旦俺の体に当てて
「ギリだな。まあイケるだろ。」
はい。と美智子さんに渡した。
「あら。佑ちゃんのとこに入るの?」
ニコニコと優しい笑顔でそう尋ねられた。
「春っていうんだ。仲良くしてやってよ。」
佑さんが紹介してくれ よろしくお願いします。と
頭を下げる。
「イケメンねえ。更に佑ちゃんとこ繁盛するわね。」
美智子さんはニコニコと微笑んだ。
ともだちにシェアしよう!