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肉豆腐36

だいぶ疲れてるのかもしれない。 最近 何かといえば こんな事ばかり考えてるし。。 「ごめんな。ちょっとくたびれてんのかも。」 春は箸を置き 頭を下げた。 「すいません。俺が転がり込んだりしたから。。」 「あー。違う。違う。春のせいじゃないから。 なんかさ。あんまりここんとこパッとしなくて。 だから 対して飲んでねえのに 昨日もあんな風に酔っ払ったりしてさ。 気にすんなよ。ほら。食え。残すと怒られるぞ。」 そう言って 自分のライスの皿と 春の空の皿を入れ替えた。食欲がどうもわかない。 全くもう。。 ホントどうかしてる。 飯食ってる時にこんなの。 絶対ダメだ。 これ以上 自分に幻滅したくない。 もう潮時なんだろうな。。 ただ苦しみを待って 時間を無駄にするのは もう止めないと。 ふう。と息を吐き出し 「明日のまかない 肉豆腐にしてやるよ。 好きなだけ食っていーから。」 そう約束すると 春はじっと俺を見つめ はい。と頷き ニコッと笑った。 おーお。ホントに嬉しそうに笑うな。 俺の作る肉豆腐を 一番好きだと言って貰えた。 一生懸命やっている事を褒めてもらったり 喜んでもらったり。 その一つ一つが身に染みる。 それに。 なんだか心地よい。 「・・楽しくなりそうだな。」 綺麗に食べ尽くされた空の皿を眺めながら ポツリ そう呟く。 なんだろう。。と不思議そうな春を横目に 佑は肘をつき 窓の外へと目を向けた。

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