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カフェオレ③

ここ一カ月。 誘いには一度も乗らなかった。 忙しいからとLINEの返事も簡単に済ませて。 まあ。実際 春が慣れるまでは時間が必要だったし 住み込みにしたから 生活リズムを お互い掴むのに 擦り合わせも必要。。。 でもなかったんだけど。 春は 仕事も家での生活にもすっと馴染み 全く違和感を感じさせなかった。 口数が多いヤツじゃない。 でも 醸し出す雰囲気が穏やかで柔らかくて。 不思議な奴だな。。と思ったけど 毎日とても気が楽だった。 だからそれが理由じゃない。 終わらせなきゃ。 そう思っていた事がだんだん現実味を帯び 少し離れて しっかりと考えようと思った。 誰かを愛し 愛されたい。 それは今でもそう思う。 尚之がずっと好きだった。 好きだと思ってた。 最初は恋人だと信じてたし。。 でも 今はもう。 愛されないと分かっていて 欲求に応えているだけの自分。 そこには他に何も無い。 せめて自分だけでも気持ちが残っているなら 辛くても続けられるかもしれない。 でも もうそれさえも どこにも無くなって。 ただ流されたままじゃダメだ。 これ以上自分を嫌いになりたくない。 怖がるのをやめなきゃな。。 そう思って一旦 距離を取った。 痺れを切らしたかな。。 崇は昔から尚之の使いっ走り。 様子を見てくるように言われたんだろう。 自分で来ないのが尚之らしい。 俺如きの様子をわざわざ見に来るなんて アイツのプライドが許さない。 呼べば来る都合のいい相手。 それがアイツにとっての俺だから。。 のらりくらりと商店街の噂話を口にしながら 俺の様子を伺っていた崇はやっと本題に入る。 「喧嘩でもしたの? なんかイライラしてたよ。 佑がどうしてるか見てこいって言われて。。」 「で。馬鹿正直に見に来たのか。」 呆れたように聞き返すと 崇は愛想笑いを 口元に浮かべ ヘラっと笑った。 「きっと忙しいんだよって言ったんだけど なんか納得してくれなくてさ。。 でも。忙しいんだよね?」 「そう。忙しいの。だから時間出来たら 連絡するからって言っとけよ。」

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