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カフェオレ⑧

「健さん。これで佑さんのTシャツ 何枚か 買いたいんですけど。白がいいみたいなんで。」 「えっ? 俺の?」 コクンと頷くと 手を振られた。 「俺はいーよ。服は別に。それより自分の。。」 「佑さんのTシャツ。全部色が変わってます。 漂白してみたんですがダメだったので。 白が好きなら 新しくしないと。」 自分の事に無頓着なのはすぐにわかった。 洗濯が苦手と言っていたのも 実際に 洗うようになって 全部 エプロンの藍色なのか 染みて青くなっているのも確認済み。 「前に頂いたこの金の分。給料から引いて 無いですよね。なら生活費に使います。 佑さんの洋服は被服費ですから。」 そう言って 健さんに向き直り 「お願いします。」と頭を下げると ゲラゲラと笑われた。 「佑。良かったな。いい嫁貰って。」 「よ・・嫁!?」 アワアワと慌てる佑さんを余所に Tシャツを物色する。 「この辺は生地もいいし 丈夫だぞ。」 健さんが教えてくれ 二人で何枚か 出して 掲げて見せると 諦めたように頷いた。 「任せるよ。俺。わかんねーから。 何が似合うとか。。」 「わかりました。」 健さんと話し合い 四枚選んで金を払う。 「春。コイツ ジャンパーもいつ買ったか わかんねえような古いの着てるからよ。 アレ。穴空いてなかったか?肘んとこ。 時期が来たら一緒に買いに来い。 何度言っても ずっと同じでさ。 せっかく見てくれいいのに勿体ない。」 告げ口に 佑さんは頬を膨らませ 「別に。。寒さしのげればいいし。。」 少し顔を赤らめた。

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