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カフェオレ⑯
やだよ。スーパーなんか。
この雰囲気がいいのに。
大学は都心で 人も多く チェーン店や
入れ替わりの激しい店々で溢れかえった街は
どこか冷たく感じる。
だから俺もこの街に残りたい。
就職も実家から通える所にしたいと思ってるし。
それに。。
佑さんが置いていった真新しいエプロンに目をやる。
やっと佑さん。元気になったしね。。
佑さんは幼馴染。ったって
年はだいぶ違うけど 家が近くよく面倒見て貰った。
さすがに中学に上がってからは
一緒に遊んだりはしなかったけど
進学の相談をしたり 勉強を見て貰ったり。
高校からはここでバイトもさせて貰って。
男なのに綺麗で 優しく それでいて
男気があって 竹を割ったような性格。
どんなつまらない悩みでも親身になって
一緒に考えてくれるしさ。。
実の兄貴より兄のように思ってる。
でもおじいちゃんとおばあちゃんが亡くなって
佑さんは完全にひとりぼっちになった。
その辺りから 佑さんは少し元気が無くなって。
あまり飯も食わなくなり 昔よりかなり痩せた。
俺なんかじゃ 相談相手にもならない。
誰か付き合ってる人はいるんだろうなって
思った事もあるけど 見た事は無い。
その辺りは一切話 しないしね。。
奥さんでも居たらいいと思うんだけど
結婚とか する気も全くないみたいだし。
そんな時 春さんが来た。
最初は変なホームレスみたいなのが
店の前でじっと座っててびっくりしたけど。
佑さんが飯を食わせてるって知って。
佑さんらしいな。って思った。
あの人は前からそう。
困った人を放っておけない。
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