58 / 74

カフェオレ㉒

「ああ。俺シャツ忘れた。。ちょっと取ってくる。」 廊下を戻り座敷へ向かう。 修がゆっくり後ろをついてきてるのはわかった。 座敷の襖の近くまで来た時に大声が聞こえ え。。とその場に立ち止まる。 なんだろ。。ケンカしてんのか。。 みんな年も取ってるし 酒が入ると熱くなり 揉め事が起こる事もある。 振り返り ん?と不思議そうな顔をする修に 苦笑いを返すと そっと入口に近づき 襖の金具に手をかけた。 が。ふっと手が止まる。 「今回、剣崎さんとこに来た奴ら。 田島興業って言ってたんだろう。山ちゃん。 あんなデカい所が出てきて大丈夫だも何も 無いんじゃないのか。それに田島興業って言ったら 正二と奥さん。。殺したんじゃないかって。。」 正二。。 親父の事か。。? 倉田正二。 こ・・殺した・・? 修が隣に並び なんだ?と俺の顔を覗き込む。 顔色を見て何かあったと思ったのか そのまま修も立ち尽くし 耳を中へと向けた。 声の主は前山さんだった。 この間チンピラが自分の店の居酒屋に来て暴れて。 陽太兄ちゃんが追い払ってくれたらしいけど。。。 「前ちゃん。滅多な事口にするんじゃねえ。」 木村さんが声を荒げて窘める。 それでも前山さんはおさまらないのか 同じように声を荒げた。 「キム。お前が一番わかってんだろう。 正二と奥さんは交通事故で死んだって 世間的にも 佑ちゃんにも そう言ってるが 二人とも裏山の崖の下で発見されて。 殺されたんだ。田島興業に。 あんだけつき纏われてて。。 あの後 正二の家も惣菜屋も狙ったように 空き巣が入って荒らされたじゃねえか。 今回の地上げだって。本当は。。。」 「前ちゃん。あれからもう何年経ってると 思ってんだ。25年も前の事だぞ。 空き巣の犯人は捕まって 田島興業とは 関係無かったし 何より 今更その事と関係して この地上げが始まったなんてあり得るわけが無い。」 「そうだよ。それはちょっと飛躍しすぎだ。」 山田さんも木村さんに同調してそう返す。

ともだちにシェアしよう!