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カフェオレ㉓
横から別の人が口を挟む。
気弱な声音は 崇のお父さんの斎藤さんか。。
「だ・・だけどよ。。あん時だって商店街に
変な奴らが沢山ウロウロして。
今の嫌がらせと変わんなかっただろう。
みんなかなり迷惑。。なあ?
今回のだって 倉田の件のせいだったら。。」
その頃を思い出したのか
ザワザワと場が騒がしくなる。
「だからそれが何で25年近く経って今なんだよ。
そんな訳ねえだろう。それに もしそうなら
これまでだってなんかあった筈だ。
あれからしばらく気をつけてたけど
その後何も起こらなかった。
佑も気づかなかったんだから何も無かったんだろう。
今回の地上げとは無関係だ。
まあ。。因縁はあるのかもしれねえけどな。。」
木村さんは苦々しくそう言った。
「キムも少し落ち着け。前山も斎藤も。
想像の話だけで議論しても仕方ないだろう。」
真斗のお父さんだろう。
島津さんが木村さんを窘めている。
因縁。
・・・殺された?
知らない。
なんだその話。
今聞いた事全てが全く知らない話で
まるで他人事の様に聞こえる。
両親は交通事故で死んだ。
じいちゃんもばあちゃんも。
それこそ周りの大人はみんなそう言って。。
ただ。。。
ふっと急に思い出した。
何も覚えていない中で一つだけ。
両親の通夜の時。
あの日はずっと雨が降っていて。
木村さんが雨の中傘も差さず ずぶ濡れで
香典袋を足で踏み潰し
「どの面下げてこんなもの。。。」って
泣きながら何度も何度も。。。。
山田さんが泣きながら木村さんを止めてて
島津さんが 俯いて 横に立ってて。。
あれがもし。
その関係からの香典だったのなら。。
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