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カフェオレ㉖
「修さん。どうしたんですか。」
ぜいぜいと肩で息をしながら修さんは
唾を呑み込むと焦った様子で問い質す。
「春。佑 帰って来たか?」
え。
「いえ。。まだです。遅いなと思っていて
店閉めて今から迎えに行こうかと。。」
ふと修さんが手に持っているのが佑さんの
シャツだと気づく。
何があったんだ。
「どうしたんですか。」
口調が咎めるように厳しくなってしまったのか
修さんは ぐむっと一瞬口籠り
それでも はあ。。と大きなため息をついて
俺にシャツを渡した。
「寄り合いが終わって帰ろうとしたらよ。
佑がシャツ忘れたって座敷に戻ろうとして。
そしたら古参連中が大声でケンカ始めてて。。。」
地上げの件か。
さっきのチンピラ二人が脳裏を過ぎる。
続きを黙って目で促すと 修さんは更に躊躇し
それでも渋々口を開いた。
「春。お前 佑に両親が居ないのは知ってるよな。」
「あ。はい。交通事故で亡くなったって。」
うん。。。。と顔を曇らせる。
修さんが何に躊躇しているのかがわかった。
「詳しくはいいです。俺みたいな部外者には
言いづらいでしょうから。
ただ 何か良くない事が佑さんの耳に
入ったんですね。」
修さんは黙ってコクンと頷いた。
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