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カフェオレ㉗
「走って飛び出して行っちまってよ。
連中が更に揉め始めたからちょっと時間
食っちゃって。。
佑が仕事放り投げるとは思わなかったから
こっちに来てみたんだがな。。じゃあ家だな。」
踵を返す修さんの腕を掴む。
「あの。俺が行きます。居たら連絡しますから。
修さんに迷惑かけたって 後から
佑さん 気にすると思うので。」
あの人はそういう人だ。
豆腐屋は朝早いから大変なんだよって
前 言っていた事がある。
「この木綿豆腐が無かったら お前の好物も
出来ないんだからな。」って笑ってて。
修さんもそう思ったのか わかったと頷いて
携帯を取り出し
「ああ。でも お前。携帯持ってないだろ。」
一瞬躊躇し 修さんを見つめ思案する。
ポケットから小型携帯を出して電源を入れると
その動きを驚きながら 眺めていた修さんは
ジロッと俺を睨んだ。
「春。」
「・・はい。」
「一回しか聞かねえぞ。お前何でここに来た。」
答えられない俺をじっと見つめ
修さんは はあ。とまたため息をつく。
「じゃあ。質問を変える。お前。
佑を傷つける為に来たんじゃねえよな。」
「はい。」
即答する俺をマジマジと見つめ
修さんはふっと笑った。
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