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カフェオレ㊲

風呂から上がり タオルで頭を拭きながら 座敷へ行くと 春が猫にエサをやっていた。 「ああっ・・ちょ・・ちょっと待って・・ 今 あげますから・・痛いっ・わかりました。」 何回か あーやってるけど 毎度苦戦してる。 くすっと笑い 縁側に置いてあるサンダルを履き 春の手から缶詰を取り上げた。 「ほら。俺がやるから 手 洗ってこい。」 猫達は エサが俺の手に移ったのを確認し エサ皿の周りに群がっていく。 皿の中にエサを入れると がつがつと食べ始めた。 「すいません。」 情けなさそうに春は眉を下げる。 「引っかかれたか? 軟膏あるぞ。」 「大丈夫です。朝飯 出来ましたから。」 春はそう言って サンダルを脱ぎ 中に入っていった。 後に続き サンダルを脱ぐと マグカップを二つ持ってくる。 「サンドウィッチにしましたけど 縁側がいいですか?」 うん。と頷いて マグカップを受け取り 縁側に腰掛けた。 頭をゴシゴシ タオルで拭かれる。 意外と世話好きなんだよな。。 まあ。俺が家ではだらしないからだけど。 ウエットティッシュを渡され 手を拭くと 春はタオルを持って洗面所に行き すぐに台所へと戻る。 カフェオレか。。 いい匂い。 昨日飲んだ事を思い出した。 せっかく入れてくれたのに一口しか 飲んでやらなくて。 でも。 あったかかったな。。

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