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第4話の4◆マリアの君のドキドキベッド

 が、彼はにんまりと笑い、 「大丈夫だ。ドームより音はいいから。」  そういう問題ではないのだが、ためらいは許されない。 CUEの、謹んで務めさせていただきます、の言葉に合わせ、MOON一同はぺこりと頭を下げた。 「それじゃあ、詳しいことは後日、業務連絡ということで…」 まだ事務所を持たない自分達の身の上が、マリアはとても気になった。 「飲み会はいつもこんなところだったよねえ。でも、昔は全員、揃えたよね。」 SHOがしみじみと言うと、ニッキーも、 「俺達の時なんてもっと安いとこだった。そういやMOONのみなさんは、レコーディングの前に仁さんになんて言われた? 」 波長が合うのかニッキーに親近感を持ったらしいタカネが率先して笑顔で答える。 「特になかったですけど。」 「いいなあ、俺達なんて、仁さんに、『とにかく売って下さいね、ウチは赤字なんですから』って言われまくったよ。」 「時代も変わったねえ。」 「ほんとですよねえ、SHOさん。金のかかるお耽美ムードもなかなかできなかったし…そうだ、社長、例のベッド、まだ部屋に置いてるんですか? 」 写真集の撮影の時に使ったベッドが、傷がついたと持ち主にクレームをつけられ、やむなくZENNが買い取ったのだという。 マリアは懸命に平静を装った。

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