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第4章の14(←マリアの君のつかの間の休息)
あとは名古屋と大阪、そして東京でのファイナルを残すのみ、という状態で、二十日ぶりに、マリアは自分の部屋に帰った。
鍵を開けると、
「マリア、お帰りなさい! 」
「由真ーっ! 」
抱き付かれた由真の方が驚いていた。
マリアにしてみれば、ツアーの成功を分かち合う相手がいるのは嬉しいことだった。
が、なぜ平日の昼間、ここに由真がいるのか。
「由真、学校は? 」
「風邪でーす。」
そんな冗談を聞きながらも、マリアの体の方はそれどころではなかった。
「マリア、やせたんじゃない? 」
「そう? 」
ごはんは、と言われても、
「いや、それより眠らせて…」
と、ついベッドにもぐりこんでしまう。
洗濯物は? 由真の声が遠い。勝手にバッグ開けていいの…いいよ…
マリアが目覚めたのは真夜中だった。
次の日由真は学校の帰りに寄ってくれたので、ようやく話らしい話ができたのだった。
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