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第5章の15←マリアの君のクリスマスイブ
その時期はROSEの東京ドーム4DAYSだったからである。ラストはクリスマスイヴで…
打ち上げの後、夜も明ける頃、怪訝そうな周囲を尻目に、マリアはZENNのベンツに乗せられていた。
逆らうことはできなかった。
それは数時間前の、五万人の大観衆の熱狂が目に、肌に焼き付いて離れなかったからだった。
あれだけの熱狂を生み出していたのはROSEであり、今自分の横に座っているZENNだった。
それにひきかえ、自分の存在が、自分のやっていることが、あまりに小さいもののように急に思えてきて、惨めだったからである。
そして、次の日の夕方まで、ZENNに言われるまま、例のベッドで、ドン・ペリのグラスを片手にうだうだ過ごしていた。
大晦日から新年のカウントダウンは、ライヴハウスのイベントで迎えた。
それはマリアにとって、そしてMOONにとって、輝かしい未来の始まりのはずだった。
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