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第6章の2←先輩・麗華と飲むマリアの君

 久し振りのライヴが、東京とはいえこの前の二倍のキャパのホールということで、そのリハーサルにも追われていたある日、マリアは麗華に飲みに誘われていた。  気持ちにそんなゆとりはなかったのだが、行ってみると、今度は男性の有名なライターが待ち受けていた。  マリアは麗華に感謝した。  が、アナスタシアのギター、ディケイドのベースの移籍組もいて…マリアは本当にこの連中が苦手だった。  ライターの彼にマリアを引き合わせるからには彼らも呼ばないわけにはいかなかったのだろうが、麗華とも話は弾まず、彼らは早々に引き上げた。 「もうここまできちゃうと、よりの戻しようもないんだろうけどさ、諦めないで、どんなチャンスにもくらいついてくる姿勢が見たいんだよ、俺は。生え抜きばかりひいきする、ってクサってばかりいるけど、生え抜きの奴は、MOONも含めていつでも前向きだもの。チャンスだって転がってくるさ。」 これだけ愚痴をこぼすと、麗華も彼らのことを二度と話題にすることはなかった。

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