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第6章の15←後ろめたいマリアの君

 いずれこんな日が来るとは思っていたが、さすがにマリアにはこたえた。 麗華にまで誤解され、そのうえどうあがいても自分はZENNの高みには行けないと言われ… 他のメンバーにもどう思われているかと思うと、マリアの心の支えはファンとZENNだけだった。  そんな時に不可解なニュースが流れてきていた。ROSEが四枚目のアルバムのリリースを無期延期すると発表したのである。  このために、ファンの問い合わせが殺到し、事務所やレコード会社その他関係各方面がパニックになっているという話がMOONの許にも聞こえてきていた。 ZENNの身がマリアは心配になったが、自分の方から連絡を取るのもはばかられた。 が、電話ではZENNはいつもと変わりないようだった。むしろ様子が変なのは、マリアの方だった。 ―…マリア、どうした? 来たくないのか? ―…いえ… ―何だ? はっきり言えよ。 ―…麗華さんに…ZENNさんの部屋には行くなと言われました。 ―麗華のやつ…何を考えてるんだ…マリア、マリアの気持ちはどうなんだ?   ―もちろん、行きたいです。  マリアがZENNに呼び出されたのは、麗華もいる、ROSEの関係者の飲み会だった。 ZENNはやや不機嫌だったが、またマリアを自分の車に誘った。 麗華の視線は後ろめたく思いつつも、無視した。

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