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第6章の18←マリアの君と信頼関係
「マリア…」
ZENNにも不審がられていた。
―…ねえ、どっちがリードするの?
勝手に切ってやった。
「アナスタシア? 」
「わかりません。」
「何て…? 」
口にするのも汚らわしかったが、渋々話した。ZENNの表情がこわばった。
「まあそんな話、いくらでも作れますから…」
マリアの方がなだめていると、今度は、ZENNの携帯の方のベルがけたたましく鳴った。
「マリア、出て。」
「でも、携帯ですよ。」
「いいから。」
「もしもし…」
―…あ…
受話器の向こうの男は驚いていた。
―もしもし? どちらさまですか?
―立花と申しますが立花…
仁だった。
マリアは真っ青になり、無言で電話をZENNに押しつけた。
―もしもし…仁? ああ、今のはマリアだよ。また…いたずら電話がきたから、代わりに出てもらってたんだ…大丈夫だよ。マリアもいるから。
またマリアは電話を持たされ、仁にはくれぐれも頼むということと、マリアも気をつけるようにと言われた。
もちろん仁はこれっぽっちも疑っている気配はない。
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