96 / 100

第6章の26←マリアの君、孤立する?

「そうじゃないです。」  マリアは自然に微笑むことができた。 「ZENNさんもお忙しくなると聞いたので…しばらく会えないかな、と…」 「聞いたって、麗華から? 」 「はい…」 「そうだな、ドームが終わったら、一人で、本を出そうと思ってる。半分は写真集みたいな本を。これまでを、自分なりに振り返ってみたくて…で、その前になるかな、新人のバンドのプロデュースをしたいと思ってる。」  「そんなにいいバンドなんですか? 」 まあな、とZENNは流すと、  「麗華はソロをやるっていうけど…シヴァとCUEも一緒に曲書いてくれるんだって? 」 それもマリアには初耳だった。 突然、マリアは自分が孤立していくように感じて寂しくなった。 そして…ここまでしてもこのベッドに、その新人も上がるのではないかと不安でいっぱいになるのだった。 もちろんZENNにはきけない。引っ張り込まないでくれと頼むのもマリアのプライドが許さなかった。

ともだちにシェアしよう!