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第7章の1←マリアの君の挫折?

 メンバー同士もすれ違いがちな毎日だったが、ふと気づけば、今年はギルティーズの掛け声すら聞こえてこない。 その一方で、マリア達も困った問題に直面していた。アルバムの売り上げが目標の七十万枚に達していないというのである。 「確かに新人としてはケタはずれなんだけど…次で挽回してもらわないと…」 事務所の社長の永山に言われていた。  それからはメンバー同士、寄ると触ると次のアルバムの話で、マリアの悪い噂などどこかに飛んでしまったようだった。  確かにアルバムも商品である以上、売り上げ目標は設定される。 が、しかし、グランデの場合、というか、MOONの場合は新人としては大きすぎる目標だった。 日頃ZENNから聞いている通り、日本のロック界が隆盛を誇り続けるためには常に目玉バンドがいくつか必要で、 ギルティー帝国はそれを供給し続けてきた。 とすれば、MOONは目玉となる義務があり、そのための目標が設定される。 

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