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訪問

言われた通り制服を直して、先生達が止めている駐車場に荷物を持ってやって来た。 まだ時間が早いから誰もいない。 「待たせたか?」 景山が肩で息をしながら現れた。 どうやら急いできてくれたようだ。 どうして急ぐ必要があるのか分からなかったが、「待ってない」とだけ答えた。 「乗れ」 示されたのは、白の高級外車だった。 ピピッ、と鍵を解錠し、景山が乗り込む。 それに倣って、俺も乗り込んだ。 車の中は景山の匂いでいっぱいだった。 手早くシートベルトを締めると、行き先を告げることなく、静かに発車させた。 どこに連れて行かれるのか、ドキドキした。 知らない道をずっと走って、着いた先はマンションだった。 「着いたぞ」 「ここ、どこ?」 「俺ん家」 「えっ!?どうして…?」 「いいから、黙ってついて来い」 言われるがままついて行く。 エレベーターに乗り、『10』のボタンを押す。 チン、と軽い音と共に扉が開き、景山がさっさと歩き出す。 『1015』と書かれた部屋の前で止まると、手早く解錠した。 「入れ」 促されるまま靴を脱いで部屋に上がる。 少し散らかった部屋の中は車と一緒で景山の匂いでいっぱいだった。 「こっちだ」 手を引かれ、連れてこられたのはベッドルーム。 強く手を引かれ、体勢を崩し、ベッドに突っ伏した。 「な、何?」 「俺がお前を買ってやる」 「何で?」 「金が欲しいんだろ?」 「そうだけど…」 「それならいいじゃないか」 景山が仰向けになった俺の上に乗っかかってきて、頬を両手で挟んで顔を寄せてきた。 今置かれている状況を理解しようとしつつも、ベッドから香る景山の匂いで思考停止してしまった。 ふにっ、と唇に生暖かい感覚を感じた。 キスされていると理解するまで、かなりの時間を要した。 何度も角度を変えてキスをされる。 息をするのも忘れてしまうほど舞い上がってしまって、頭が酸欠でボォーとしてきた。 いよいよ辛くなってきて、景山の胸をトントン、と叩いた。 「んっ、ぷはっ」 「慣れてないのか?」 「何?」 「キス、慣れてないのか?」 「初めてだもん」 「はぁ!?初めてなのに売りやろうとしてたのか?」 「男の初物なんて、女に比べたらそんな大事なもんでもないでしょ?」 「じゃぁ、何されてもいいって覚悟はできてるんだな?」 「うん」 いきなりベルトを緩められ、スラックスをパンツごと下ろされた。 そこまでされると思ってなくて、手で前を隠した。 「何するんだよっ!」 「こういうことされるって分かってたんだろう?」 「分かってるけど、いきなりされたら嫌だろうがっ!」 「本当に嫌だと思ってる?」 言われてる意味が分からなくてポカンとしていると、いきなり雄を掴まれた。 その瞬間自分がどういう状況になっているのかを理解した。 キスされて脱がされただけなのに、雄が勃ち上がっていた。 「嫌だったらこんなことにはならないはずだよな?」 「……」 「こうされたかったわけ?」 掴まれたままだった雄をゆっくり扱き始めた。 先走りが大きな透明の粒になって溢れ、にちゃにちゃと厭らしい音を出していた。 「んっ……」 「気持ちよさそうな声出しちゃって」 「こんなことされたら仕方ないっ…」 「辛そうだな。一回イッとくか?」 「……っ!」 扱く手のスピードを速めて強制的に絶頂させようとしてくる。 「待ってってば!」 「イけって」 「ヤ…ダ…」 「我慢するなって」 「止めてぇ…」 生理的な涙が目から零れてきた。 止めようとしても止まらない。 恥ずかしくて両手で顔を覆って隠そうとしたけど、手首を掴まれて無理矢理引き剥がされた。 「お前の顔、見せろよ」 「ヤダぁ…」 「泣いてる顔、好きなんだよ」 「趣味、悪い…」 「そんなこと言いながらも、気持ちいいって顔してる」 「してない…」 「これから、どうして欲しい?お前の希望聞いてやるよ」 「それなら、手、止めて」 「それはできないな」 「何で?」 「お前のイク姿、見たいから」 「見ないでぇ…」 「ほら、イけ」 「ヤダぁ…」 グズグズと鼻を啜りながら、イヤイヤと首を横に振って快感から逃れようとするが、景山は的確に気持ちいい所を刺激してどんどん絶頂に導いていく。 先走りがどんどん溢れてきて滑りがよくなって、扱くスピードがどんどん速くなった。 くちゅくちゅ、と卑猥な音が部屋に響く。 腰が景山に押し付けるように動いてしまう。 「もう限界だろう?イけ」 「…っイクぅぅぅぅぅぅ」 自分でするよりもずっと気持ちよくて、思いっきり腰をびくつかせながら自分の胸にまで飛ぶほどに白濁を迸らせた。

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