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第2章 オーディン 【9】清らかで…美しい
皇子宮に戻りシルヴィの体を隅々まで洗った。
途中、何度洗っても汚れが落ちないと思ったら、私の拳から流れる血のせいだった。
何枚ものバスタオルにシルヴィをくるみバスルームからベッドへと運ぶ途中、黒服に適当に手を包帯で巻かせた。
壊れ物を扱うかのようにベッドにそっと下ろす。
バスタオルをはだけると、白く輝くいつものシルヴィの体が横たわる。
肉塊に何をされたのか…そんな考えがよぎるのを振り払う。
何をされていたとしても私の愛は揺らがない、変わらないのだ。
夜着を着せようとするとシルヴィの手が伸びてきて、私の包帯まみれの右手を掴む。
『会いたかったんだ…』そう言うと体を起こし、私の頭を抱きしめたかと思うと、血の色を失った震える唇を私の唇に重ねてきた。
『オーディンがいい…オーディンがいなきゃやだ…やだよ…』
「シル…?」
再プロポーズの計画が台無しだ、だけどこれは逆プロポーズと思っていいのだろうか?
私の首に腕を巻きつけたシルヴィが次に囁いた言葉に、私は血が沸騰するのを感じた。
『助けて…キモデブが触った場所が、舐めた感触が気持ち悪い…』
あの肉塊は触っただけでなく舐めたというのか―――
死んでなければよいな、拷問に掛けた上ジワジワとなぶり殺してやる。
そんな凶悪なことを考えている私の顔は、シルヴィには見えていないだろう。
『お願い…さわって』
さわって…とは?
どうも今日は脳が停止しがちだ
『うぅ…ッ!ヒック…オーディ…、ねぇ…』
シルヴィが泣いている…泣かせたのは誰だ許さない。
私の胸をポカポカ殴るシルヴィ。泣かせているのは私か…?
「…いいのか?」 声が掠れる
『オーディンがいい…オーディンが…好き、みたい。…ねぇもう遅い?ボクもう汚れてる…?』
濡れたライラックの瞳がいつも以上に儚げで、消えてしまいそうで強く抱きしめる。
安心させるように笑みを浮かべ、頬にキスをし
「汚れてるわけがない…シルヴィは頭の天辺から足の先まで全部清らかで…美しい」
もし汚れた場所があるとしたら、私が全て清めてやる。
私のものにする時が来たのだと歓喜した。
口内を貪り、そのまま全身を私の手で舌で清めていく。
私がつけた痕を上書きし、痕がない場所も吸い付き、所有印を無数に刻んだ。
『ぅ……んぁァアん、やっ……!』胸の飾りを転がし舐めあげる。
起きているシルヴィの拙い反応が可愛くて、私の興奮を煽る。
「ここも…どこも全部私のものだ…!」指で刺激し再び舐めあげる
『ぃやぁ…ぁあ、こわ……怖ぃ』過ぎる快感にシルヴィが怯える
私のものだ、もう離さない。
1分1秒たりとも私から離れることは許さない。
『…んぅ!あ…、はぁ…っ』
『やだぁ…変、変になっちゃう…からっ!』
私の頭を抱きしめていた手が、拒絶するかのように突っ張る。
股間を見ると、ゆるやかに聖なる棒が立ち上がっていた。
起きているシルヴィはいつもより反応が良い。
『…っはぁぅ!!』
そこを掴み刺激すると、背を反らし必死に快感に耐えているようだった。
逃げようとする腰を抱え押さえ、熱いソコからあふれる先走りの液体を使いヌチュヌチュといやらしい音をさせる。
『やっ…!』
私の肩を押さえ、逃げようと上半身をずりあげようとするが私の力にはかなわない。
手の動きを早めて追い込む、青ざめていたシルヴィの白き体が朱に染まっている。
胸飾りに舌を這わせながら手の中の愛しい存在を擦り上げると、嬌声を上げ体をガクガクと震わせながらイッた。
眠っているシルヴィが精を吐く時の勢いとは全く違っていた、感じてくれたのだ。
「かわいい…私のシルヴィ」と言うと恥ずかしそうに両手で顔を覆ってしまった。そんな仕草も可愛すぎるぞ。
私のペニスが早く早くと、窮屈な下着の中でのたうつ。
シルヴィの手を掴み私のシャツに導き、脱がせろと促す。
オズオズとボタンに手をかけるが、うまくいかないようだ。焦らしてくれるな。
顕になった腹筋にシルヴィの舌がすべる。…くっ!
ベルトに手をかけ、私のそこを下着越しに見て頬を染める。
儚げに煌めくライラックの瞳に下から見上げられると我慢の限界だった。
押し倒し、素早く片足を抱えあげ 「ごめん…もうガマンできない、いいか…?」と問う。
もういいだろう?充分に待ったし、充分我慢した。
幾日もかけて傷つけないように下準備もしたのだ、絶対に痛くなどしない。
コクリと頷いてくれた。あぁ…どれほどこの日を待ったことか。
再び立ち上がったシルヴィの聖なる棒に舌を這わせ、口内に導く。
『はぁん…あっ!あーっ!!』
激しい快感に身をよじろうとする足をガッチリと抑え込む。
わざとジュポジュポといやらしい水音をならせ官能を呼び起こす。
『うぅ…ぁあ―――!やぁ…め…』
激しく頭を上下して刺激しながら、いつものローションを手になじませる。
ユックリと優しく聖地に手を沿わすと、『ひぃっ…!!』と声を上げ、シルヴィの体が硬直したのがわかった。
あの肉塊のことを思い出し震えている、あいつのことなど忘れてしまえ。
「見て、シルヴィ、私だよ…?」
クルクルとそこを撫でながら私は興奮で反り返り腹につきそうに猛っている自身を示す。
「見て…ホラ、シルヴィの乱れる姿を見て、私のここはこんなになってる」
怖がらせないようにユックリと聖地をなでる。
「愛してるシルヴィ…私のになってくれ」
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