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第6章 祝福されて 【4】結婚初夜3

打ち上げられた魚のように花びらにまみれたシーツの上でピクピクと体を震わせる。 この3年間で教え込まれた性技と鍛え上げられた体力を持ってしても、オーディンの絶倫さにはついていけず何度も意識を飛ばしてしまう。 「…シル?シルヴィ…」 心配げに覗き込むオーディンの顔が見える、また気をやってしまっていたようだ。美しい青い瞳がボクを見つめる。こんな顔を見れるのもボクだけなんだと思うと同時にまだ内部にあるペニスに気づきキュンと締め付けてしまう。 安心したようにムクムクと大きさを取り戻すソレにまたもや喘がされる。 「あぁ…また、おおき…」 何度もイッてるボクだけどオーディンはまだ1度たりともイッてなかった。なぜだかそのことに悲しくなったボクは 「おーでぃ…イケない?気持ちいくない…?」聞きながら泣いてしまった。 マリッジブルーというものだろうか? いつまでたっても自分ばかりで、気持ちよくさせれてない。行為後も毎回気を失うせいで後始末も全部オーディンにさせてしまっていることも申し訳なくて情けなくなって涙が止まらなくなってしまった。 「泣くな…そんなわけない、気持ちよすぎて狂ってしまいそうだ。すぐにでもイッてしまいそうになるのを堪えてるんだ。乱れるシルヴィを1秒でも長く見ていたいがためにイクのを我慢しているだけだ。一晩に何度も抱くとシルヴィが明日ツラクなるだろうから…」 汗にまみれ乱れた髪を整えてくれながら切々と訴えるオーディン。 だけど(それって何回もやるのと変わらないんじゃ?)と思ったが大事にしてくれる気持ちがヒシヒシと感じられたので指摘しないでおいた。 「いぃから…何回でもシテ?いっぱいいっぱいオーディンをボクの中にそそぎこんで…」 「あぁあ―――っ!イッてる―――イッ、てるから、ぁあん、んっんっ」 ボクの内部をこれ以上無いほど奥まで侵入してくる。ボクの両足を抱え上げたオーディンの顎から汗が滴り落ちてくる。 ズンッズンッ!!ジュボッちゅぽ   卑猥な音が鼓膜を揺する。 「ひぃあ、あっ…んん、っ、ああっ。ふぁ、んんんんっ!」 何度もイキすぎてもう何も出なくなったボクのペニスがプルンと震え、中のオーディンをギューッと締め付けた。 「くぅ…で、るっ、イクっ」 何度目かの熱いものが注がれる。幸せが奥底から体に染み渡る。 イキ続けビクンビクンと痙攣するボクの体をいたわるようにオーディンの大きな手がすべる。 ズルリと出ていく感触にまで「あん…」と感じてしまう。ポッカリと寂しくなった穴からはオーディンの放ったものが溢れ出していた。 ハァハァと息を乱し、ドサリとボクの隣に体を横たえたオーディンの胸板が汗で光っていた。指でツーッとたどると感じるのかコラッとしかられた。自分はさんざん触ったくせに理不尽だ。 一息つくと、汗や精液やなんやらでドロドロになったボクの体を抱き上げバルコニーのほうに歩き出すオーディン。 「え?っや…やだ、そとっ?」裸のまま外に出されるかと思って暴れたけど、カーテンを引いた窓の外は半屋外のようになっていて、それは大浴場ととても似ていた。 「寝室の横にも造らせたんだ、シルヴィ好きだろう?」 樹々が植えられ岩肌からは滝のように温泉が流れ、いくつもの湯殿が見える。籐かごのブランコやカウチも置かれ、ボクの大好きな寝湯もあった。ソロリと寝湯に降ろされいつものように体を洗ってくれる。つけたままのブレスレットや宝石が温泉で変質してしまわないか心配になるのにオーディンはそんなことおかまいなしだ。 湯にボクの髪が広がるのをオーディンの手が楽しげに揺らめかせる。 「我が妃はどんな宝石よりも美しいな」 なんてのろけるもんだからボクは温泉のせいじゃなく顔が真っ赤になってしまう。 ボクらはここでこうして毎日二人おじぃちゃんになるまで過ごすんだ――― そう 思ってた

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