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これ以上関わったら駄目だ。 きっと…いや、絶対に碌なことにならない。 「お早う、蒼井君。」 「…………」 ───── ─ ─ 「ねぇ蒼井君、」 「…………、」 ──── ─ ─ 「蒼井君、あのさ、」 「……っ、委員長 ッ!!!」 ガタンッ!! いきなり大声を出して立ち上がった俺に、クラスの奴らが何事だとざわつきだす。 呼ばれた本人はキョトン顔。 どうしたの?とでも言いたそうなその様子に、俺は更にイライラが増す。 こっちの台詞なんだわ…ッ!! 「ちょっとこっち来て。」 少し乱暴な気もしたが、俺はそれだけ言って委員長の手首を掴むとそのまま教室から連れ出した。 朝の爽やかな空気の中、渡り廊下を抜けて中庭へ。 お昼時には生徒が昼食を食べに来ていることもあるが、この時間は殆ど誰もいない。 幸い、今日も人の気配は無さそうだった。 俺は様々な植物で作られた小道を進み、大きめの木の陰で手を離した。 「…委員長、どういうつもり?」 「?…何が?」 「何がって…、最近、なんでそんなに絡んでくるわけ?今まであんま話したことすら無かったじゃん。」 キス未遂から数日、あれから委員長はほぼ毎日欠かさず俺に話しかけに来ていた。 挨拶だけならまだ良い。適当に流せば済む話だ。 だがここ3日程は、移動教室にお昼、果てにはトイレにまでついて来ようとするので、流石に無視できなくなってきていた。 「あれ?俺言わなかったっけ?」 「……?何を?」 「蒼井君のこと気に入ったからセックスしたいって。」 「セッ、ッはぁ!?」 い、意味が分からない…どういう思考回路してるんだ…!?!? 「だからその為に先ずは仲良くなろうと思って。」 ニコリ その余りにも楽しそうな笑顔に頬がひきつる。 俺は頭痛がして思わず額に手を添えた。 「待て…、待て待て待て、何がどうしてそうなったんだ。」 「ん?だから蒼井君とエッチしたいから先ずは仲良く…」 「そこ、そこだよ、大前提がおかしいだろ。」 「?」 止めろ、綺麗な顔して小首を傾げるな、あざと過ぎてムカつくわ。 お前そんなキャラじゃ無かっただろうが。 「そもそもだ、なんで俺を気に入ったわけ?俺、委員長に気に入られる様なこと何もしてない、と言うか寧ろ、嫌われるようなことしかしてなくないか?」 「そんなことないよ。」 「いやあるだろ。」 「だって君、僕のこと無視しなかったじゃん。」 「………、は?」 「君は俺のこと嫌いでしょ?なのに普段通りに接しようとしてくれたから。まぁ嫌そうな顔はしてたけど。」 可愛いなー良い人だなーと思って。 いやいやいや。俺別に、 「…?嫌いじゃないけど、委員長のこと。」 「…え?」 「え?」 心底驚いた表情の委員長。 「まぁ確かに苦手な部類ではあるし、なんなら今まさにウザ過ぎて嫌いになりそうではあるけど。」 「……うそ。」 「嘘じゃないよ。」 「だって教師とだよ?男同士だよ?キモいとか思うでしょ普通。近付くなとか思うでしょ?」

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